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02.14.08:50 [PR] |
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03.10.09:23 アンチ・ドキュメンタリーです |
極端に言うと、ヤコベッティの「世界残酷物語」だとか「グレート・ハンティング」なんかですら、描かれていることは全てが真実だと思っていた。
しかし、フィルムがどう編集されて、私たちの前にお目見えする、と知ってからは、ノンフィクションとうたっていても、その作品だけを観て全てわかった気になるのではなく、描かれてある事柄を知ることだけが重要だと思っている。
興味がわけば、自分の目と耳と足で調べて考えて判断する。
作品だけを観て判断するのは、大きな間違いだと思っている。
何度も言うけど、そうだと思ってます。
イルカ漁があることを、今回のアカデミー賞で初めて知った。
へぇ~。
私はピース・キープ・イルカと思ったことがないので、そうなんだ、としか思わなかった。
知らずに私もイルカを食べていたかもしれない。
知能の高い哺乳類を捕獲して食べるなって、あの美味しい牛や豚はどういう扱いかしらん。
売られていく可愛い子牛の瞳だって、見たらつらいと思うが・・・・
水銀。。。。。
動物は食べません!
なんてこともあるでしょう。
でも植物だって生き物・・・・・ま、もういいや。
だいたいにおいて、ドキュメンタリーを作る人がその事柄について熱く語るのを見るのが苦手です。
作品として世に出した以上は、売らなければいけないので、それはわかるんだけど、とりつかれてるように見えて怖い。
その事柄を、一方向からしか見ることができない、という態度は、ますますその作品で描かれている事柄が、それだけが真実ではないと大いに宣伝しているようなものだ。
内容が、環境保護や戦争・政治・思想・宗教・福祉、そういうものになると特にその傾向が強いように感じる。
実はマイケル・ムーアの作品も「ボウリング・フォー・コロンバイン」しか観ていない。
あの作品は、彼なりの何故アメリカが銃社会になったのか?何故抜けられないのか?という考察があったので面白かった。
チャールトン・ヘストンは損をしたように思う。
住むならカナダかな、とちょっと思ったし。
特にハワイアンバーガーがお気に入りである。
だいたい、毎日毎食マックでそれもスーパーサイズばかり食べたら体を壊すに決まってる。
あれは極端だ。
でも、「ちょっとやってみたくね?」みたいな感じだったものを、自称実際にやりましたと、やってみせてくれたのが面白かった。
ということで、「ザ・コーブ」も観てみないとなんとも言えないけれど、きっと支持はしないと思う。
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03.09.22:40 日々思うこと |
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03.08.22:43 休憩中になりすまし |
何種類かのキャラがあり、私は一番クール♪な感じの男の子。
10代学生・・・・おおおー、30もサバ読んであんたっ!
で、ちょっと核心に触れる質問をされはじめたので「あっ、実は私、女性ですから」とか、徐々にカミングアウト。
続く人が「あー、おいらもっ♪」とか返してくれるので、ホントかどうか知らないけど、この可愛いキャラの裏では、ハゲオヤジとか、おばちゃんとか、LGBTとか、ニートとか引きこもりとか、悲喜こもごもの人生をおくる輩がキーを叩いているんだな・・・・と、余計なことを考えてしまい、俄然楽しくなってきた。
「あー、だるー」と言った私に「ところで明日、何がある?」と尋ねられたので、そういや娘が体育の話しをしてたなぁと「体育」と答えた。
続いて、体育ではどんなことやってるんだ?という話しになったので、「跳び箱で台上前転をやっている」と答えたら、全員から「跳び箱ーーーーーーーーーーーー!」と驚かれた。
私の頃には中学・高校までやってた記憶があるんですが・・・・・
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03.03.11:30 正義のゆくえ~I.C.E.特別捜査官 |
特に、出演者たちの訴えるような瞳の演出が印象的だった。
米国には毎年相当数の移民や密入国者たちが入ってくる。
それだけ仕事がある、ということなのか。
ロサンゼルスの製縫工場に密入国者の逮捕に踏み込む捜査官たち。
メキシコからの密入国者の女が隠れている、それを見つけたハリソン・フォードに、どうか見逃してくれ、と訴える女。
心が動きかけたところに同僚がやってきて女は連行され、ハリソンは彼女に息子を託されてしまう。
また、永住権を得るためにユダヤ教の宗教関係者に成りすますミュージシャン。
永住権の審査官に体を求められる女優の卵。
アラブの誇りと祖国の教えを守りながら、アメリカで成功を収めた家族が、「一族の恥」とする自由主義の娘。
欲しいものは力で奪うのだと、不良仲間にそそのかされ、強盗に手を貸してしまう韓国人青年。彼は翌日に永住権取得の式典を控えていた。
様々な「よそもの」たち。
学校で9.11の小論文を発表し、FBIににらまれるイスラム教徒の少女のエピソード。
彼女は、やったことは赦しがたいが、9.11の犯人たちが何故あそこまでの事件を起こしたのかは理解できる、と皆の前で語る。
その姿はとても勇気にあふれた立派なものだった。
しかし、クラスの誰もが彼女の言葉の一部だけに反発し、聞こうとはしない。
そのうえ学校はFBIに通報し、彼女は危険分子だとして逮捕され、母親とともに国外退去となる。
3歳でアメリカへ渡り、祖国バングラデシュの思い出などない、そんな少女だ。
彼女はアメリカに住むイスラム教徒である家族と自分について、「自称・自由の国」で考えたから語ったことだ。
9.11からのアフガニスタン攻撃、イラク攻撃などをうけ、「反撃されない高いところからの攻撃のほうが卑劣」だ、と言ったスーザン・ソンタグは「オサマ・ビン・ソンタグ」と批判されたように。
強者の理論、アメリカという不思議な国、理念は「自由と民主主義」・・・・・
この作品は移民の国アメリカの、移民についてのさまざまな問題に翻弄される人々が描かれる。
感じたのは、こういう問題はすごく広い視野が必要なので、見て見ぬふりするに限る、になりがちだということ。
最近、日本でも「移民政策」についての話があり、仕事がないのに移民を受け入れても意味がない、というラモスのまともな意見には誰も反応せず、「偏見をなくして自由な雰囲気にするためにも、家庭でもっと話しましょう」などと無理矢理、さすが朝日!な結論がでていたのをテレビで観た。
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02.28.22:43 インビクタス~負けざる者たち~ |
クリント・イーストウッド監督の最新作。
ネルソン・マンデラというと、去年あたりに『マンデラの名もなき看守』を観た。
それが初マンデラ。
伝記映画は苦手なので、そういうのを観たからといって、あれがホントのマンデラさんだとは普通、思わない。
映画はドキュメンタリーであってもノンフィクションだとは思わない。
何かを訴えようとして作る以上、観る側に対する演出は必ずあるから、ドキュメンタリーを観るときにはテーマとすることを「知る」だけにとどめておいて、「真実」だとか「わかった」とは思わない。
伝記映画もそんな感じ。
偉大な人物を扱った作品ならば尚更。
だって格好良すぎる、マンデラさん・・・・ホントにああなの!
どう考えても一般的にはそんな扱いの、実在の人物が登場する作品をどうしてイーストウッドともあろう人が作ったんだろう?と、疑問だった。
戦いを望まず平和な未来を作るなら、復讐などではなく、赦しが必要だと。
これは大きい小さい関係なく、世界中で争いをしている全ての人々に言えること。
ロベン島の刑務所で、穴掘りや石積みの拷問のような作業をしながら、狭い独房から外をながめながら、マンデラさんは復讐ではなく、自身の精神を高みに持っていくことで長い刑務所生活を耐えてきた。
世の中にある暴力による悲しい出来事に対する、イーストウッドの願いはそこかも?
独房に立つマンデラさんの背中は『マンデラの~』でもとても立派に描かれていたけれど、『インビクタス』の中でも似たようなシーンがあった。
小さな独房の中の、大きなマンデラさんの背中。
不当な扱いに屈せず、その精神を暴力に貶めず、目の前の苦しみだけを見るのではなく高みを目指す、高貴な心を持った人。
誰もがそんな心を持つならば、誰もが一緒に笑いあえる。
うう・・・そんなことを考えるのも正直面映ゆいが、『ミスティック・リバー』も『グラン・トリノ』も、そういうことではないかと思う。
その二つの作品では明確に出さなかった答えを、今回マンデラさんの半生と、南アフリカで開催されたラグビーワールドカップの奇跡のような結果を使って見せてくれたのかも。
今までのイーストウッド作品にある、なんとはなしに暗い部分は皆無。
でも私のファザコン部はしっかり刺激され、イーストウッド=パパ、という図式は変わらない・・・