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09.04.00:48 不透明な白い脂肪 |
「夜の底でしか 愛し合えない あなたとわたし」
これはこないだの『白河夜船』についてた帯のコピー。
「もしあなたが世界からこぼれ落ちても、私が両手をのばして、受け止めよう」
これは小川洋子の『夜明けの縁をさ迷う人々』のコピー。
それぞれに話の内容を印象的に表わしていて、そのコピーだけで私の心は溶けそうになる。
小川洋子初期の作品『完璧な病室』を読んでいる。
この人の物語には、生と死がはっきりと存在していて、悪趣味のぎりぎりな感じのコントラストがすごく好き。
初期の作品では、描写が少し語りすぎのようにも思うけど、好きなんだなぁ。
グロテスクでエロティック、どうしてこんな文章作れるんだろう・・・・・
「彼が唇を少し開く度に、彼の舌が腐った血液色に染まっているのが分かった」
って、ビーフシチューを食べている男の描写ですよー奥さん!
それを見ている彼女は、初めて手術を見学し、『チョコレート嚢胞』から流れ出す腐敗した血液の色を見ている、ところからの流れになっているから、ビーフシチューが「腐った血液色」になる。
さすがにシチューと体液の色が同じである、とは言えず口をつぐむ彼女は、
「ー食べる、ってことは、どうしてこんなに美しくないんだろう。ー」
ということになるが、それは「一番生理的で無意識で官能的」な人間の行動で、料理というのはいつも、汚れた流し台と背中合わせに並べられる、となる。
小川洋子に言わせると、美しい料理と汚れた流し台はセットになる。
そのコントラストが、私はどうーしても好き。
で、この『完璧な病室』にはそんな描写がこれでもか!と登場する。
私はメモりたくなる。
「死にゆく弟との 密やかな時間」
『完璧な病室』のコピー。これに惹かれて、つい買ってしまった。
小川さん、ちょっぴり古垣さんに似てる(って、hiroさんと私にしかわからない(^^ゞ)
タイトルの「不透明な白い脂肪」というのは生クリームのことである・・・・
彼女と私との共通点は、タイガースファンである、ということぐらい。
ああ、小川さんちの家政婦になりたい・・・・・
Re:不透明な白い脂肪
2009年09月04日金
タイガースファンとしては、「博士の愛した数式」はたまらないのでは。
ヤクルトとの差が縮まってきましたね!
江夏がー、って話だけで涙がでます!
これでそのうち、小林がー、なんて話にでもなれば私は号泣します。
私を阪神ファンにさせたのは小林ですから!
何が何でも3位を目指しますよーっ!ヤクルトめー!あと5・・・
Re:不透明な白い脂肪
2009年09月04日金
小川さんちの家政婦(笑)、すんごくいろんなものが飛び出してきそう・・(^^;
いろんな標本が並んでたりして・・・ゾクッ。
腐った血液色、、
2009年09月05日土
きちんと租借された比喩表現は
写実を超えることがある
たしかに
排泄へと連続する食は
不浄に感じられる
それに執着しすぎると
拒食に囚われてしまう
同時に食は
エロティックでもあるから
僕はそこだけを見つめる
そうしないと餓死してしまうから
coccoちゃんの記事を読んでいて、私だったらこの人のカウンセリングはできないーーー・・・・・と思いました。
ついていけない、または取り込まれて私までおかしなことになりそう。
こんなしていて馬鹿に真面目ですから
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