01.31.18:11 [PR] |
09.29.23:03 椎葉と帽子 1 |
前~から、すごいトコだーとは聞いていたが、まさかあれほどとは・・・
私は生まれて初めて、自分で車を運転しながら車に酔ってしまった。
行く途中、西米良村で仕事の電話がはいり、そのあと、また別の仕事先への連絡を仰せつかってしまった。
私の計画では、そこから1時間半ほど、お昼ぐらいには椎葉村役場へたどり着く予定だったので、
仕事先への電話も、今は携帯は圏外だが、役場に着けば公衆電話があるだろう、大丈夫だー、と再び出発。
がーーーーーーーーー!
車が離合など決してできない、山を這うように出来た川沿いの道は曲がりくねり、行けども行けども山の中。
初めの頃は「おお~~~♪」と感激して写真など撮っていたが、時間は過ぎていくのに山道が途切れることはなく、焦る。
携帯電話は思い切り圏外だし、困ったことに電池は一個のマーク。
やっと少し景色がひらけ、ふた股に分かれている道のわきには看板に地図など描いてあるので下りてチェック。
すると、どちらからでも上椎葉にたどり着くが、どっちにしてもえらいな山道がこの先出てくる気配。
国道265号、と書いてあるほうを選んだほうが良さそうな気がする・・・と、国道を通ることに。
地図も見たし、この道をとにかく行けば上椎葉にたどり着く、というお墨付きをもらったから安心だし。
そう思ったのだが・・・・・・・・
またこれが、走っても走っても山を越える気配がない。
やっぱり道は狭いし、曲がりくねってるし、ずっと山の中だし。
連絡しなければー!携帯つながらんし!と、再び焦る。
飯干峠、と書かれた場所にたどり着くまで、1時間近くかかった。
あの光景は忘れられない。
深い山あいはとても緑で、何軒かの民家がみえた。
決して新しくはない建物が、深い谷になっている場所にぽつん、ぽつん、と。
八つ墓村だ・・・・
そう思った。
横溝正史シリーズに登場するような山あいの光景。
こんな高いところまで来たんだー、と、何気に衝撃を受けた。
民家が見えたことにも安心した。
きっとそのうち公衆電話が現れるだろうー、そう思った。
甘かった・・・・・
そこから再び1時間ほど走り、スック!と道端に立っている鹿にも驚かなくなり、道の脇から飛び出すのが猫ではなくタヌキだということにも慣れ、それよりも電話!トイレ!いったいどこまで走れば町が出てくるんだろう!
もしかしてここが町?と思えるような場所に出たときにはあぶら汗でジットリ。
はぁー、外でする羽目にならずに済んだー、と、ようやく気持ちに余裕も出て、
さっきの場所は「人間の証明」みたいでもあったなー、なんて考えていた。
ただ、その日に予定していた場所は上椎葉からさらに1時間ほど奥に行った、不土野、という場所。
すでに4時間も運転して、グッタリだったが、親切な生協の配達のお兄さんをつかまえたり、道路工事のおじちゃんに道を聞いたりして、何とかかんとか目的地へ辿り着いた。。。。。。
そんな感じで行ってきた椎葉村だったが、思い出すと、あの場所へ再び行きたくてたまらなくなる。
とても深い谷の、周りは山ばかりだけど。
里山、ではない。
本物の山に作られた集落。
平家の落人たちは、いったいどんな必死さであの山を越えたのだろう。
切ない。
母さん、きっと今頃は
今夜あたりはあの谷間に静かに雪が降り積もっているでせう
こちらも随分涼しくなった。
きっと椎葉の山あいは、もっともっと涼しいだろうと思う。
08.18.00:53 会えてよかった |
こんにちは、はじめまして、よろしくおねがいします。
高台にある、石の家がたくさんある場所にその人たちもいて、
突然あいさつに来た私にびっくりしたろうに、何も言わず、いたずらもせず、
私が焚いた線香の煙にまかれていた。
街の灯りがきらきら光る。
橋の上を車のライトがいくつも渡る。
川が流れている。
赤白しましまの煙突がある。
景色は金色、オレンジ、メタリックブルー。
空はるり色で、私が一番好きな空気の色。
04.17.00:37 おいてきたもの |
私の学生時代の成績表なんかを、母が大事~にしてくれている。
こないだ、私が東京で一年だけ通った、ある演技研究所のテキストが出てきたらしい。
わー、なつかしい。
基礎の基礎で「標準語のアクセント」とか「音声訓練とはなにか」とか。
全然覚えてないし、講師の似顔絵を落書きしているところを見ると、きっと授業を聞いてなかったんだと思う。
『外郎売り』なんて載っていて、
「再来週までに暗記」、とメモしてある。
覚えてないわぁ。
こんなもの、よく残してたなぁ。
こんなとき、母のことを有難いと思う。
9割9分は腹の立つことばかりだけど。
04.08.23:52 スポーツに感動するとき |
輪島功一の最終試合を観たのは小学5年生だった。
具志堅用高ファンだった私にしてみたら、何とも不格好な輪島の試合だった。
トランクスに刺繍されていた「わじま」というひらがなも笑えた。
しかし、彼がKOされるまでしっかりと観ていたのは、彼の姿にどこか感動したからだと思う。
なんといっても2度世界タイトルを獲っては失った人である。
「カエル飛びパンチ」や「よそ見作戦」の人である。
実際、彼のボクシングスタイルは好きではなかったが、裸一貫で成り上がる!という、格闘技の真髄ではあると思う。
それは今になってようやくわかったこと。
ナブラチロワが乳がんだ、というニュース。
全盛期の彼女には興味なかった。
ライバルのクリス・エバートのほうが好きだったから。
彼女を好きになったのは、シュティフィ・グラフに敗れてから。
日本国内最終戦になった東レパンパシフィックでのグラフとの決勝は忘れられない。
グラフのバックハンドのリターンや、フォアハンドの強烈な逆クロスに、ナブラチロワは最後まで自分のスタイルだったサーブアンドボレーで戦って敗れた。
ナブラチロワは88年ウィンブルドンでグラフに敗れて以来、女王の座をグラフに明け渡した。
精悍な見かけよりも繊細な内面が、私にとっては彼女の魅力だった。
感情をすぐに表わし、崩れていく。
とても人間くさくて素敵だった。
ガンは早期発見だったらしい、まだまだ元気でいてもらわなければ。
繊細といえば去年の暮れに引退していたアメリ・モレスモ。
この人も好不調の波の激しい人だった。
大好きだったサバチーニを思わせるような雰囲気、レズビアンをカミングアウトしていても、ヒンギスやダベンポートの意地悪発言に動揺してしまう脆さ、そのギャップが何とも言えず好きだった。
格好良かったのになぁ・・・残念。
なんですが、グラフのバックハンドは誰よりも格好良かったー!
「テニスの女王」といえば彼女だな、私の中では。
グラフも父親のスキャンダルがあり。
モニカ・セレスを刺したのがグラフのファンだった、という事件も何とも・・・(実際このおかげでグラフは一時代を築いたようなもの・・・・・)
何かに挫折した人のその後は、以前よりも人としての色気をまとい、素敵になるものです。
って、スポーツとは関係ないか。
03.10.22:09 雪がふる |
山之口あたりからミゾレが降り始め、市内に入った頃には雪!という大きさになっていた。
青空が顔を出し、陽が差してきたので、もう降り止むわね・・・と思い、写メ撮りに夢中になった。
早水神社では、生け垣の緑に真っ白な雪が積もってとても綺麗だった。
ますますお天気になってきたので、完全に止むな、と、ひと仕事終わって外に出るとまた降ってきた。
耳がちぎれて落ちそう・・・・・
近くでラーメンを食べて外に出ると、降りがやたらとすごくなった。
恒例の「行った先では三社参り」で、まず神柱宮。
久しぶりーの一年振り。
色々あったけど無事に過ごせたことを、ありがとうございます、と伝えてきた。
次は初めての旭丘(ひおか)神社。
見つけられずにウロウロしている間に雪が上がった。
こじんまりとした佇まいだけど、雰囲気のある素敵なところだった。
お参りして、階段を下りようとした頃に雪が再び舞ってきた。
神社と粉雪。
絶妙の取り合わせ。
最後は母智丘神社。
ここもだいたい一年振り。
去年の春、母智丘のゴルフ場に行った帰りに寄ったんだった。
神柱宮同様、色々あったけど、私は無事です、ありがとうございました、と伝えてきた。
社の後ろに陰陽石~だの、馬頭観音だの、稲荷神社だの、と看板があったので、興味本位で見てみたが、うう~ん・・・・・わからん。
でも、そんなこんなしていたら、雪が思い切り吹雪いてきた。
一面、落ちてくる雪、雪、雪。
「いま、私は能登に来ています。雪景色が綺麗でしょう?」
なんて写メしても信じてくれそうな降雪。
宮崎にいて、あれだけの降雪の中にいたのは初めてだった。
綺麗だった。