01.23.11:44 [PR] |
09.11.17:09 王様の耳はロバの耳 |
意識があるのかないのか分からない祖母に、色んな話をする。
私が考えていること、誰がどうした、誰とどうした、そしてどう感じた、そんなことを一番知っているのは彼女だ。
彼女が知らないことはない。
それは、大岩の小さな穴に秘密をしゃべる男のように、または、もの言わぬ飼い猫をなでながらつぶやく女のように、祖母が私の話を理解できないと知っているからできること。
ずるい。
今日も彼女を見舞ったら、やたら親切な理学療法士が、折り紙でも折るように祖母をマッサージしながら話かけてきた。
うるさいなぁ、と感じながらも折り紙みたいな祖母に
「もう・・・おばあちゃんは今、どんなとこにいるの?」
と話かけると、理学療法士が
「若かりしころの思い出の中ですよねーっ!」と、祖母の耳元で言った。
あっ、そうかぁ、ホントにそうならいいねぇ、と答えると、さぁ・・・・と笑った。
僕以外の理学療法士に会ったことがありますか?
ないです。
僕、○○といいます、僕以外にあと2名でツヤ子さんの担当をやっています。
何か分からないことがあれば、おっしゃってください。
祖母は何を考えているんでしょうか?
見たもの、聞いたものをそのまま理解できる状態ではないと思います。
身体の感覚も、麻痺してない部分でしか痛みもわからないし。
意識という感覚はないかもしれません。
じゃあ、何を話してもわからないんですね?
それは何とも言えませんが、聞いた言葉を理解できずに頭のどこかに置いてあるかもしれません。また、痴呆が入ってらっしゃるので忘れてしまうかもしれませんね。
理学療法士がいったいそこまで話せるのだろうか?と思いながら、グループホームで私が祖母に好き勝手に話してきかせていた戯言も、彼女に合わせ話していた適当な嘘も、そうして今、彼女に話して聞かせている真実も、祖母の頭のどこかに小さく保管されているのかもしれない。
そう思うと、この薄い白髪の頭は、色とりどりの怪しげな石や、本や王冠や、そんなものの詰まった宝箱のようにも見える。
それは彼女が集めていた、綺麗なお菓子箱みたいな、小さくて、古くて、意味なく価値がありそうな。
私が考えていること、誰がどうした、誰とどうした、そしてどう感じた、そんなことを一番知っているのは彼女だ。
彼女が知らないことはない。
それは、大岩の小さな穴に秘密をしゃべる男のように、または、もの言わぬ飼い猫をなでながらつぶやく女のように、祖母が私の話を理解できないと知っているからできること。
ずるい。
今日も彼女を見舞ったら、やたら親切な理学療法士が、折り紙でも折るように祖母をマッサージしながら話かけてきた。
うるさいなぁ、と感じながらも折り紙みたいな祖母に
「もう・・・おばあちゃんは今、どんなとこにいるの?」
と話かけると、理学療法士が
「若かりしころの思い出の中ですよねーっ!」と、祖母の耳元で言った。
あっ、そうかぁ、ホントにそうならいいねぇ、と答えると、さぁ・・・・と笑った。
僕以外の理学療法士に会ったことがありますか?
ないです。
僕、○○といいます、僕以外にあと2名でツヤ子さんの担当をやっています。
何か分からないことがあれば、おっしゃってください。
祖母は何を考えているんでしょうか?
見たもの、聞いたものをそのまま理解できる状態ではないと思います。
身体の感覚も、麻痺してない部分でしか痛みもわからないし。
意識という感覚はないかもしれません。
じゃあ、何を話してもわからないんですね?
それは何とも言えませんが、聞いた言葉を理解できずに頭のどこかに置いてあるかもしれません。また、痴呆が入ってらっしゃるので忘れてしまうかもしれませんね。
理学療法士がいったいそこまで話せるのだろうか?と思いながら、グループホームで私が祖母に好き勝手に話してきかせていた戯言も、彼女に合わせ話していた適当な嘘も、そうして今、彼女に話して聞かせている真実も、祖母の頭のどこかに小さく保管されているのかもしれない。
そう思うと、この薄い白髪の頭は、色とりどりの怪しげな石や、本や王冠や、そんなものの詰まった宝箱のようにも見える。
それは彼女が集めていた、綺麗なお菓子箱みたいな、小さくて、古くて、意味なく価値がありそうな。
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意識というもの
2009年09月14日月
実際のところ
それは誰にもわからないんだけれど
本人に聞くしかないし
語ってはくれないだろうし
だけど
脳波の測れない植物状態や
昏睡している人が回復したときに
会話やまわりの状況をちゃんと覚えていた
なんて話も聞くし
意外とわかってんのかもしれない、、
そして
笑っているのかもしれない
心の奥の小さくて
限りなく広い宇宙のどこかで
Re:意識というもの
私も一緒に昏睡したらわかるかなぁ。
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