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  • 04/18/18:20

08.18.20:46

おばあちゃんの家

obaachanoie.jpg祖母はもう話すことはできないかもしれない。
倒れたその日に見舞ったときには、次の日延岡に行くんだと言った私に「気をつけて行ってらっしゃい」と言ったのに。
ICUのベッドの上で、一日、一日容体は悪くなる。
一昨日より昨日、昨日より今日。
開けていても見えているのかも分からない瞳が、たまに大きく見開かれる。
その度に私は嬉しくて、「わかるー?45よー」と言う。
祖母は眉をよせて顔をしかめる。
母は「のさんねー」と手を握る。

すごくイヤなんだけど・・・
祖母がとても快適に過ごしていた海のそばのグループホームに、もう彼女は帰れない。
荷物を片づけに行った母が、一枚の紙をみつけた。
それは「手紙~親愛なる子どもたちへ~」という歌詞のコピーだった。


年老いた私が ある日 今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私のことを理解してほしい
私が服の上に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを教えたように見守ってほしい

あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても
その結末を どうかさえぎらずにうなずいて欲しい
あなたにせがまれて 繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも 私の心を平和にしてくれた

悲しいことではないんだ 消え去ってゆくように見える私の心へと
励ましのまなざしを向けてほしい
楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのをいやがるときには思いだしてほしい
あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを

悲しい事ではないんだ 旅立ちの前の準備をしている私に
祝福の祈りを捧げてほしい
いずれ歯も弱り 飲み込むことさえ出来なくなるかもしれない
足も衰えて立ち上がる事すらできなくなったなら
あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように
よろめく私に どうかあなたの手を握らせてほしい

私の姿を見て悲しんだり 自分が無力だと思わないでほしい
あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらいことだけど
私を理解して支えてくれる心だけを持っていてほしい
きっとそれだけでそれだけで 私には勇気がわいてくるのです

あなたの人生の始まりに 私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに 少しだけ付き添ってほしい
あなたが生まれてくれたことで 私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい

原作詞:不詳 日本語訳詞:角智織 日本語補足詞:樋口了一


きっとグループホームでもらったんだろう。
祖母がその時どう感じ、そして今、動かぬ手足と唇で、私たちに何を伝えたいのか、私にはわからない。
さっぱりわからないけど、そばにいてあげたい。

 

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おばあちゃんの住む世界
2009年08月18日火


もし
こちらの世界に来れないのなら

おばあちゃんの住む世界に入って
寄り添ってあげるのがいい


ぼくらは行き来できるから

それで
おばあちゃんが幸せならそれがいい

おばあちゃんが
少しでも笑顔でいられるように

Re:おばあちゃんの住む世界
こんな風になっちゃったんですが、祖母の周りには笑顔が多くなりました。
私も自然と笑顔になるし、だけど本人は大変そうです。
2009/08/18 22:36

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