忍者ブログ

45style book Get real

広くて浅い頭で素直に頑張ります。
RECENT ENTRY RECENT COMMENT
[09/24 your eyes only]
[09/24 your eyes only]
[07/24 only your eyes]
[06/13 harupy-15]
[06/07 岡山のTOM]

03.19.18:23

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • 03/19/18:23

03.04.17:38

それは彼の自我ではなく

tatenokai.jpg市ヶ谷駐屯地で三島由紀夫が自害したとき、介錯にあたった森田必勝は「未熟なために」一刀で三島の首をおとせず、3度失敗し、4度目に古賀浩靖が首をおとした。
その後、森田必勝は腹を切り、再び古賀が介錯した。
それが今まで信じられてきた市ヶ谷駐屯地での三島の割腹自殺である。

先日、本屋で『三島由紀夫の死と私~西尾幹二著』という本をみつけた。
この中にあった、三島のたぶんこれが真実であろう割腹の現場、には今まで一般的に言われてきた森田の未熟さはかけらもなく、彼がどれだけの強い意志と精神力で三島の介錯を務め、そして自身の割腹に至ったかが、当時の法医学の斎藤教授の解剖所見から書かれてある。


三島は常人では考えられないほどの意志を持って腹を深く真一文字に切り裂いた。
それは介錯人がおらず、ひとりで死ぬときのやり方だった。

そこまでの傷を負った場合、体に起こる反応として、まずは失神状態に陥り、首は肩にめりこみ、腹部の圧力で腸ははみ出し、上体はガクッと前のめりになるか、後ろへ反り返るか、だそう。
著者はそんな状態の三島を介錯しなければならなかった森田について「正規の介錯などできない、悲劇的な状態」だったろう、と推測している。
押え役がおらず、おそらく後ろに倒れてきた三島に、前に倒れることを予想し一刀目を振り下ろした森田は、三島の右肩に打ちつけることになる。
そのため今度は前屈みに倒れ、悶え苦しむ三島の首には狙いが定まらず、介錯人としては最悪の状態の中で二刀目、三刀目を振り下ろした。
結局、古賀が四刀目で三島の首を落とす。

mishimano.jpg介錯人が三太刀以上振るうのは末代までの恥。
打首人の義務と名誉は一太刀で首を落とすことであり、敬愛する三島に対してそれができなかった森田の絶望的な苦しみは、そのすぐあとに控える自分自身の割腹を完成させることで、見事に三島に報いてみせたのではないだろうか。

森田は浅く腹を切った。
それは介錯人にうまく首を斬らせる、切腹の作法にのっとったものだった。
古賀は一刀のもとに森田の首をはねた。
25歳の森田は壮絶な斬首の現場のすぐあとに、師よりも崇高な精神を持って腹を切ったのである。


しかし、、、、、それだけ、だろうか?

三島は森田に生きてほしいと願っていたのかもしれない。
自身の悶え苦しむ様をみて、森田には死ぬなと、無様でもよいから生きろと、願っていたのかもしれない。

三島由紀夫ほどの人が、自身の最後に計算違いをするだろうか。
森田を初めから道連れにするつもりならば、切腹の作法にのっとって浅く腹を切り、美しく介錯されて果てたのではないだろうか。

森田必勝は三島の思いを理解した。
だからこそ死を選んだ。
恥にまみれた悲劇的状況にあっても、彼自身の切腹を完成することができた。
あくまでも私の甘い想像であるが・・・・


のんびりとコーヒーが香る街なかの本屋で、孤高の美しい幻影だった三島の切腹には、もうひとつの愛おしい魂が寄り添っていたこと、そして彼らの間には死に対しても怯まない愛が存在していたことに感動していた。
それは心をのびやかにする香りの中ではあまりにも似つかわしくない、血にまみれた愛と死のイメージだった。
PR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
URL
FONT COLOR
PASS

Re:それは彼の自我ではなく
2009年03月04日水

ご安心めされ。
45殿が切腹なさる時は、このhiroめが喜んで介錯をお勤めいたしまする。
むろん、一刀両断で。


三島の落ちた首を雑誌のフォーカスが掲載したことがありましたね(~_~;)

Re:Re:それは彼の自我ではなく
コメント欄に、私が一っっっ番おそれている名前がふたつ並んでいるのを見たときにゃーーーービビりました。

えー!そんな写真があるんですか!
2009/03/04 20:26

Re:それは彼の自我ではなく
2009年03月04日水

まぁ、考え過ぎかと(笑)
演説もヤジで中断せざるを得なかったしいろいろ想定外の事が起こったんじゃないでしょうか。
そういえば、緒方拳のMISHIMAもなかなかおもしろい映画でしたね。

Re:Re:それは彼の自我ではなく
wolfさんとhiroさんから一刀両断されたんだー!と・・・(泣笑)

実は「MISHIMA」は未見なんです。
DVDは出てるんでしょうか?
2009/03/04 20:28

Re:それは彼の自我ではなく
2009年03月04日水

遺族が抗議したんで、映画は公開されず、ビデオも日本版は出ませんでした。僕は当時、キネマ館のI田支配人(当時は支配人じゃなかったけど)から輸入版を借りて見ました。
なんか時々、画面が真っ暗になるんですよ。黒塗りとかボカシじゃなくて画面全体が真っ黒。輸入版はこういう風に処理されるんだなと思いました。当時はヘアの規制が厳しかったですからね。
キャストがけっこう豪華で緒形拳が三島由紀夫を演じました。でも印象に残ったのは烏丸せつこだったりします(^^ゞ

DVDも日本版はないみたいですね。

首がごろんと転がった写真が掲載されましたよ。フライデーだったかもしれません。

Re:Re:それは彼の自我ではなく
三上博史も出演してるんですかー!
それは彼、嬉しかったでしょう・・・いやいや、ますます観てみたいですね。
2009/03/04 23:30

Re:それは彼の自我ではなく
2009年03月04日水

「愛」の部分は生生しくてブログにはかけませんよね。
M島の○○からはM田の△△が、なんて。

Re:Re:それは彼の自我ではなく
重鎮の変貌ぶりにひたすら驚きをかくせない私です・・・

そのうち、しゃちん坊でランチでもしましょうかねー。ニヤニヤ・・・
2009/03/04 23:27

I田さんにぜひ
2009年03月04日水

今でもお持ちならばお貸りしたいです。
ホントに変な人だなー、と思われない程度に。

Re:それは彼の自我ではなく
2009年03月04日水

三上博史ならむしろ寺山の草迷宮のほうが印象深いですね。
MISHIMAどうしてもみたいなら何とかしますけど(笑)

Re:Re:それは彼の自我ではなく
え!何とかなるんですか?

「草迷宮」!シブいなぁーwolfさん。。。。って、私は「さらば箱舟」しか観てないですけど、三上博史目当てで観た私は、まだ高校生だったので強烈でした・・・
2009/03/05 00:01

Re:それは彼の自我ではなく
2009年03月05日木

あの日、中継をわけもわからず
リアルタイムで目撃した僕は

美学を追求した三島の終息というよりも

煩わしきものたちに追い詰められた果ての
哀れな少年にしか見えなかった

本当はあんな結末なんて
ちっとも望んでなかったはずだから

Re:Re:それは彼の自我ではなく
私なんか三歳ですもん。。。
でも彼が憂いていたことは、そのまま今の日本の政治やマスコミの姿、またそれを素直ーに受け取る人たち、に見えますがねぇ。
変わってない、ってことなのでしょうか。
2009/03/05 08:27

Re:それは彼の自我ではなく
2009年03月05日木

mixiにメールしときました。

Re:Re:それは彼の自我ではなく
ありがとうございました!
2009/03/05 23:03

えーと
2009年03月05日木

>のんびりとコーヒーが香る街なかの本屋で、孤高の美しい幻影だった三島の切腹には、もうひとつの愛おしい魂が寄り添っていたこと、そして彼らの間には死に対しても怯まない愛が存在していたことに感動していた。

本屋の立ち読みでここまで読み込んだのですか?

Re:えーと
読み込んだのです・・・・・・
わなわなしてウルウルしました。
たまにものすごい集中力を発揮します!
2009/03/05 23:05

4567番♪
2009年03月05日木

また踏んだのえへへ。。

Re:4567番♪
おめでとうございます。エヘ。
2009/03/05 23:06

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら