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05.06.22:27 三つの愛 |
すーごく思うところあったのに、その頃これ以上に色々とあって、出しそびれていた話。
去年の末、年賀状を出す出さない、なんて時期のこと。
私が毎年年賀状を出していた、独身時代の職場仲間の名字で喪中のハガキが届いた。
私も喪中だったのだけど、彼には喪中ハガキを出しておらず、あー出さなくてすんだー、なんてその時は思った。
てっきりお母さんが亡くなられたんだろう、と思ったから。
が、差出人が彼の奥さんになっていて、途端に鼓動が大きくなった。
亡くなったのは、彼、本人だった。
時期を見たら、まだ49日も過ぎていない。
驚いて、まず、連絡しなきゃ!と私が思い立ったのが、彼が職場恋愛していたMだった。
Mはとても・・・・・・・・・そう・・・言ってみれば昔話に出てくるような、見てくれは悪く、頭もそうよくはないけれど、心根の優しい、気立てのよい、よく働く、面白い子だった。
高校を出てすぐに私と同じ下水道の設計会社に就職したMにとって、彼は、初めての男だった。
その彼も、決して見栄えのする男ではなかった。
天パの髪の毛は頭の横半分が剥げていて、風の強い日、一緒に外を歩きながら笑うに笑えなかったことがある。
私を高校時代にしょっちゅう叱っていたソロバンの先生の息子で、背が低く、近眼眼鏡で頭の薄い彼は、私にとって愛玩動物のような存在だった。
Mは優しい子なので、私から適当に扱われている彼をとても気にかけていて、いつの間にかふたりは付き合うようになっていた。
だんだん綺麗になっていくMが意外に可愛くて、恋ってスゲーなぁと思っていた。
ただ、二人にはふたまわりの年の差がある事が、Mの父親にしてみたら心配だったらしい。
Mが彼の子を宿したとき、Mの父親は完全にキレて彼に慰謝料を請求して別れさせたのだった。
しばらくして私が会社を辞め、Mも辞め、Mはその後Mに良く似た面白い男と知り合い結婚した。
子どもも2人できたんだった。
彼らの全てを知っていた私は、どうしてもMに連絡できず、まず同僚だったTに連絡した。
Tも驚き、事情を知らない彼女はMに連絡してくれた。
年末のある日、3人で彼の家にお参りに行こうということになったが、直前、Tが行けなくなり、結局、おあつらえ向きの二人で行くことになった。
久しぶりのMは相変わらずニコニコして、私と二人で行くことになって良かった、と言った。
彼の家に着くと、とても優しげな女の人が「わざわざありがとうございます」と、車を誘導してくれた。
家に入るとお線香の匂いがして、彼の骨と、写真になった彼がいた。
写真の彼はとても幸せそうに笑っていた。
私が思わず、なんて良い顔して写ってるんでしょう!と言ったほどだ。
「これは、就職のために自分で撮ったんです」
奥さんが言った。
そういえば彼の趣味はカメラだった。
年取った彼のお母さんが出てきて、Mを思わず下の名前で呼んだ。
Mはお久しぶりです、と挨拶して、私たちはお線香を上げた。
面と向かうと、どうしても泣けた。
しばらく四人でお茶を飲み、私が毎年年賀状を出していたので、私の名前は知っていたこと、彼が仕事の忙しい建設会社にいて随分無理をしていたから新しいところに仕事を変えたばかりだったこと、朝、仕事に行くために準備をしていて倒れ、そのまま死んでしまったこと、奥さんはぽつぽつ話した。
いつも一緒にいたのに、彼が疲れていたことに気付いてあげられなかった・・・・・と泣いた。
全然!
あんな良い顔してる彼を私は初めて見ました。
きっとすごく幸せだったんでしょうね、結婚したことは年賀状で知っていたけど、あんな男の人と結婚する人がどんな人なのか、実はとても心配だったんです。
今日は奥さんに会えて良かった、彼はとても幸せだったはず。
だってあんな顔で笑ってるんですもん。
お母さんの前なのに、そんなことを奥さんに言った。
奥さんはMに、「失礼ですが、お名前は?」と尋ねた。
Mは現在の姓で答えた。
場が一瞬、緊張したのがわかった。
彼の家からの帰り道、Mは行って良かったと言った。
別れてからは一度も会ってなかったから、と。
Mはひと月ほど前に、道端に立っている彼の幻を見たそうだ。
ちょうど彼が亡くなった頃だ。
そうか・・・彼はあんたに会いに来たんだね、気にしてたんだよ。
Mも、そうですね、と言った。
これは去年の末のこと、なんとも言えず爽やかな気持ちになった出来事だった。
ちょうど私も幻をみたMと同じ頃、友人に、天パで頭の薄い彼の話をしたところだった。
去年の末、年賀状を出す出さない、なんて時期のこと。
私が毎年年賀状を出していた、独身時代の職場仲間の名字で喪中のハガキが届いた。
私も喪中だったのだけど、彼には喪中ハガキを出しておらず、あー出さなくてすんだー、なんてその時は思った。
てっきりお母さんが亡くなられたんだろう、と思ったから。
が、差出人が彼の奥さんになっていて、途端に鼓動が大きくなった。
亡くなったのは、彼、本人だった。
時期を見たら、まだ49日も過ぎていない。
驚いて、まず、連絡しなきゃ!と私が思い立ったのが、彼が職場恋愛していたMだった。
Mはとても・・・・・・・・・そう・・・言ってみれば昔話に出てくるような、見てくれは悪く、頭もそうよくはないけれど、心根の優しい、気立てのよい、よく働く、面白い子だった。
高校を出てすぐに私と同じ下水道の設計会社に就職したMにとって、彼は、初めての男だった。
その彼も、決して見栄えのする男ではなかった。
天パの髪の毛は頭の横半分が剥げていて、風の強い日、一緒に外を歩きながら笑うに笑えなかったことがある。
私を高校時代にしょっちゅう叱っていたソロバンの先生の息子で、背が低く、近眼眼鏡で頭の薄い彼は、私にとって愛玩動物のような存在だった。
Mは優しい子なので、私から適当に扱われている彼をとても気にかけていて、いつの間にかふたりは付き合うようになっていた。
だんだん綺麗になっていくMが意外に可愛くて、恋ってスゲーなぁと思っていた。
ただ、二人にはふたまわりの年の差がある事が、Mの父親にしてみたら心配だったらしい。
Mが彼の子を宿したとき、Mの父親は完全にキレて彼に慰謝料を請求して別れさせたのだった。
しばらくして私が会社を辞め、Mも辞め、Mはその後Mに良く似た面白い男と知り合い結婚した。
子どもも2人できたんだった。
彼らの全てを知っていた私は、どうしてもMに連絡できず、まず同僚だったTに連絡した。
Tも驚き、事情を知らない彼女はMに連絡してくれた。
年末のある日、3人で彼の家にお参りに行こうということになったが、直前、Tが行けなくなり、結局、おあつらえ向きの二人で行くことになった。
久しぶりのMは相変わらずニコニコして、私と二人で行くことになって良かった、と言った。
彼の家に着くと、とても優しげな女の人が「わざわざありがとうございます」と、車を誘導してくれた。
家に入るとお線香の匂いがして、彼の骨と、写真になった彼がいた。
写真の彼はとても幸せそうに笑っていた。
私が思わず、なんて良い顔して写ってるんでしょう!と言ったほどだ。
「これは、就職のために自分で撮ったんです」
奥さんが言った。
そういえば彼の趣味はカメラだった。
年取った彼のお母さんが出てきて、Mを思わず下の名前で呼んだ。
Mはお久しぶりです、と挨拶して、私たちはお線香を上げた。
面と向かうと、どうしても泣けた。
しばらく四人でお茶を飲み、私が毎年年賀状を出していたので、私の名前は知っていたこと、彼が仕事の忙しい建設会社にいて随分無理をしていたから新しいところに仕事を変えたばかりだったこと、朝、仕事に行くために準備をしていて倒れ、そのまま死んでしまったこと、奥さんはぽつぽつ話した。
いつも一緒にいたのに、彼が疲れていたことに気付いてあげられなかった・・・・・と泣いた。
全然!
あんな良い顔してる彼を私は初めて見ました。
きっとすごく幸せだったんでしょうね、結婚したことは年賀状で知っていたけど、あんな男の人と結婚する人がどんな人なのか、実はとても心配だったんです。
今日は奥さんに会えて良かった、彼はとても幸せだったはず。
だってあんな顔で笑ってるんですもん。
お母さんの前なのに、そんなことを奥さんに言った。
奥さんはMに、「失礼ですが、お名前は?」と尋ねた。
Mは現在の姓で答えた。
場が一瞬、緊張したのがわかった。
彼の家からの帰り道、Mは行って良かったと言った。
別れてからは一度も会ってなかったから、と。
Mはひと月ほど前に、道端に立っている彼の幻を見たそうだ。
ちょうど彼が亡くなった頃だ。
そうか・・・彼はあんたに会いに来たんだね、気にしてたんだよ。
Mも、そうですね、と言った。
これは去年の末のこと、なんとも言えず爽やかな気持ちになった出来事だった。
ちょうど私も幻をみたMと同じ頃、友人に、天パで頭の薄い彼の話をしたところだった。
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そういえば、、
2010年05月07日金
天パで頭の薄いのが
ここにも一匹おるわい
別にどうでもいいけど、、
「去年は濃い一年だったね」って
何度も確認しあってたけど
今年も
濃い一年になりそうだね
Re:そういえば、、
あのーーーーーーー、何て言って良いやらー
返答に困るようなこと、言わないで下さいな・・・
ふふふ・・・。
今も青さんが言った、ここまでだって150%!って言葉、思い出しては「そうそうそう!」と自分をなぐさめてました
返答に困るようなこと、言わないで下さいな・・・
ふふふ・・・。
今も青さんが言った、ここまでだって150%!って言葉、思い出しては「そうそうそう!」と自分をなぐさめてました
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