11.25.08:20 [PR] |
01.09.17:08 寅まつり |
虎年にちなみ、劇場で4本寅さんシリーズが上映。
「男はつらいよ」「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」「男はつらいよ 噂の寅次郎」「男はつらいよ 寅次郎の青春」
寅さんシリーズは新しくなるにつれ面白くないので、宮崎ロケの「寅次郎の青春」はスルーしたが、残りの3本、これは劇場側のチョイスにお見事でした!と言ってしまおう・・・・それとも、寅さんを劇場でちゃんと観ていなかった私が、ビデオやテレビ以外で初めてしっかり観たから気付いたこと?
ストーリーの流れがパターン化されているのはそのままでも、3本それぞれの雰囲気が違う。
改めて劇場で観て、その点には驚いた。
「男はつらいよ」
劇場版第一作目。
倍賞千恵子がめちゃめちゃ可愛い!
マドンナは光本幸子。
緒川たまきを少しシャープにしたような顔、初めて知った女優さんでしたが、綺麗だった・・・・。
それも御前様の娘とは!娘がいたのも知らなかったし、おまけに、写真を撮るときに「バター」と言う掛け声は、寅さんが最初だと思っていたけど、御前様だったことが判明。
集合写真を撮るときには私も必ずそう声掛けますが、たいてい「はぁ?」という顔をされるので覚悟して言いましょう。
物語は20年ぶりに葛飾柴又に帰ってきた寅さんが、妹さくらの縁談をまずはぶち壊し、裏の印刷工場で働く宏との間を図らずも取りもってしまう・・・というもの。
舎弟のノボルはこの頃から舎弟だったのですね。
ドタバタしながらも、「おれがイモ食べてお前のケツから屁は出ない」という自分の気持ちは自分だけのものだ、という寅さん語録や、宏のさくらへの愛の告白、結婚式での志村喬のスピーチなど、セリフが良い。
またラスト、遠巻きのカメラが映す寅さんとさくらの姿。
「お兄ちゃん、帰るとこないじゃないっ(「行くとこ」だったかなぁ)!」と寅さんの背中に叫ぶさくらに、少し振りむき、ちょっと手を上げて去っていく寅さんの後姿には胸がぎゅ~っとなった。
そのシーンは青さんが「シェーン・カムバーック」なんだ、と言っていたけど、確かにそう。
「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」
11作目。
マドンナは浅丘ルリ子。
でました!リリーさん。
まずは柴又に帰ってきた寅さんの、さくらがピアノ欲しい事件で、自慢気におもちゃのピアノを買ってきてタコ社長に馬鹿にされて再び出て行く、というエピソードで始まります。
ホントに初期の寅さんの笑いはテンポが良くて最高!
北海道でも行きたいなぁ・・・・と宏が寝転がっていると、寅さんはその北海道に行っている。
笑ってしまうのが、北海道の景色BGMが何故かクラシック。
綾香ぽんのお陰で私も知っていたシェヘラザード。
ドサ回りの歌手・松岡リリーはこの後、3作ほど寅さんシリーズに登場する名物マドンナなので、私は彼女と寅さんは実は大恋愛をするのかと思っていた。
が、そうではなく、彼女に対しては寅さん、親友や同志、または兄妹のようなすごく身近な感覚を持っていたのですね。
商売の途中でリリーさんに声を掛けられ、彼女を見たときの寅さんの目は、恋を予感させるものではなく、とても近い、懐かしいものを見つけた、という目。
渥美清の、この演技は拍手もの。
二人、港に立っている後ろ姿で、堅気じゃない根なし草の似た者同士、という雰囲気を綺麗に表わしている。
同じ根なし草でも、柴又という愛している故郷があり、家族がいる寅さんが、母親との縁の薄いリリーさんに同情する心情が切ない。
私が子どもの頃、隣に雀荘があり、順番待ちの時間に我が家に出入りしていた水商売の彼ら彼女らを思い出した。
可愛がってくれていたソープ嬢のカオルちゃんから香っていた石鹸や香水の匂いや、おこづかい、と言って財布から出すお札の感触。
もうひとつ、コピーが良い!
ほら、
逢ってるときは何とも思わねぇけど
別れた後で妙に思い出すひとがいますね。
そういう女でしたよ、あれは・・・・
この作品には笑いの中にも大人の雰囲気と、少し特殊な感覚があった。
浅丘ルリ子はペネロペ・クルスのよう・・・
なんなんだ、あの妖しさ、手を伸ばしてあげたくなる儚さ。
目だけギョロギョロした、ただのガリガリのオバサンだと思っていたけど、あの匂いには気付けて良かった。
「男はつらいよ 噂の寅次郎」
シリーズ22作目
マドンナは大原麗子。
まずは隣の墓参り事件から、再び旅に出た寅さんは宏の父親と旅先で偶然再会。
「今昔物語」を教えてもらい、人生の無常に感銘した寅さんは虎屋の面々に話して聞かせる。
修行だと言って再び旅に出ようとした矢先、離婚して友人宅にやっかいになっている大原麗子が、とりあえずの仕事として決めた虎屋へやってくる。
美人を見た寅さんは行くに行けなくなり、急にお腹が痛いと言いだし、そのまま居座る。
笑いどころがかなり冴えている。
しかし、奇をてらった笑いではない。
確かに自分ちの隣のお墓に気付かず参るのはありえないけれど、寅さんならありえる!と私たちが普通に受け入れてしまうところがこのシリーズの面白さ。
ワンパターンな流れの妙、寅さんというキャラクターと渥美清という俳優のなせる技が、もうひとつ、ラストの大原麗子との会話にある。
憎からず思っている男を追おうとする彼女が、寅さんに「寅さん、私ね・・・」と何か言いかける。
「おう!明日聞くからなっ、明日な!」
寅さんはそう言って、早く行けと促す。
しかし、明日はない。
振られたことに気付いた寅さんは、もう虎屋を出て行くから。
邦画の伝統がそうなのか、それとも喜劇役者がそうなのか、普通の可笑しさの中にどこか救われない寂しさが常にあって、それは働いても働いても上流にはほど遠い庶民の暮らしとか、まともな暮らしができない自由人だからとか、そんな自由人を馬鹿にしながらも憧れてしまう気持ちとか、そんな空気が流れているからだろうか。
しっかりと観よう!と思って映画館で観た3本の寅さん。
これは誇れる!
「男はつらいよ」「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」「男はつらいよ 噂の寅次郎」「男はつらいよ 寅次郎の青春」
寅さんシリーズは新しくなるにつれ面白くないので、宮崎ロケの「寅次郎の青春」はスルーしたが、残りの3本、これは劇場側のチョイスにお見事でした!と言ってしまおう・・・・それとも、寅さんを劇場でちゃんと観ていなかった私が、ビデオやテレビ以外で初めてしっかり観たから気付いたこと?
ストーリーの流れがパターン化されているのはそのままでも、3本それぞれの雰囲気が違う。
改めて劇場で観て、その点には驚いた。
「男はつらいよ」
劇場版第一作目。
倍賞千恵子がめちゃめちゃ可愛い!
マドンナは光本幸子。
緒川たまきを少しシャープにしたような顔、初めて知った女優さんでしたが、綺麗だった・・・・。
それも御前様の娘とは!娘がいたのも知らなかったし、おまけに、写真を撮るときに「バター」と言う掛け声は、寅さんが最初だと思っていたけど、御前様だったことが判明。
集合写真を撮るときには私も必ずそう声掛けますが、たいてい「はぁ?」という顔をされるので覚悟して言いましょう。
物語は20年ぶりに葛飾柴又に帰ってきた寅さんが、妹さくらの縁談をまずはぶち壊し、裏の印刷工場で働く宏との間を図らずも取りもってしまう・・・というもの。
舎弟のノボルはこの頃から舎弟だったのですね。
ドタバタしながらも、「おれがイモ食べてお前のケツから屁は出ない」という自分の気持ちは自分だけのものだ、という寅さん語録や、宏のさくらへの愛の告白、結婚式での志村喬のスピーチなど、セリフが良い。
またラスト、遠巻きのカメラが映す寅さんとさくらの姿。
「お兄ちゃん、帰るとこないじゃないっ(「行くとこ」だったかなぁ)!」と寅さんの背中に叫ぶさくらに、少し振りむき、ちょっと手を上げて去っていく寅さんの後姿には胸がぎゅ~っとなった。
そのシーンは青さんが「シェーン・カムバーック」なんだ、と言っていたけど、確かにそう。
「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」
11作目。
マドンナは浅丘ルリ子。
でました!リリーさん。
まずは柴又に帰ってきた寅さんの、さくらがピアノ欲しい事件で、自慢気におもちゃのピアノを買ってきてタコ社長に馬鹿にされて再び出て行く、というエピソードで始まります。
ホントに初期の寅さんの笑いはテンポが良くて最高!
北海道でも行きたいなぁ・・・・と宏が寝転がっていると、寅さんはその北海道に行っている。
笑ってしまうのが、北海道の景色BGMが何故かクラシック。
綾香ぽんのお陰で私も知っていたシェヘラザード。
ドサ回りの歌手・松岡リリーはこの後、3作ほど寅さんシリーズに登場する名物マドンナなので、私は彼女と寅さんは実は大恋愛をするのかと思っていた。
が、そうではなく、彼女に対しては寅さん、親友や同志、または兄妹のようなすごく身近な感覚を持っていたのですね。
商売の途中でリリーさんに声を掛けられ、彼女を見たときの寅さんの目は、恋を予感させるものではなく、とても近い、懐かしいものを見つけた、という目。
渥美清の、この演技は拍手もの。
二人、港に立っている後ろ姿で、堅気じゃない根なし草の似た者同士、という雰囲気を綺麗に表わしている。
同じ根なし草でも、柴又という愛している故郷があり、家族がいる寅さんが、母親との縁の薄いリリーさんに同情する心情が切ない。
私が子どもの頃、隣に雀荘があり、順番待ちの時間に我が家に出入りしていた水商売の彼ら彼女らを思い出した。
可愛がってくれていたソープ嬢のカオルちゃんから香っていた石鹸や香水の匂いや、おこづかい、と言って財布から出すお札の感触。
もうひとつ、コピーが良い!
ほら、
逢ってるときは何とも思わねぇけど
別れた後で妙に思い出すひとがいますね。
そういう女でしたよ、あれは・・・・
この作品には笑いの中にも大人の雰囲気と、少し特殊な感覚があった。
浅丘ルリ子はペネロペ・クルスのよう・・・
なんなんだ、あの妖しさ、手を伸ばしてあげたくなる儚さ。
目だけギョロギョロした、ただのガリガリのオバサンだと思っていたけど、あの匂いには気付けて良かった。
「男はつらいよ 噂の寅次郎」
シリーズ22作目
マドンナは大原麗子。
まずは隣の墓参り事件から、再び旅に出た寅さんは宏の父親と旅先で偶然再会。
「今昔物語」を教えてもらい、人生の無常に感銘した寅さんは虎屋の面々に話して聞かせる。
修行だと言って再び旅に出ようとした矢先、離婚して友人宅にやっかいになっている大原麗子が、とりあえずの仕事として決めた虎屋へやってくる。
美人を見た寅さんは行くに行けなくなり、急にお腹が痛いと言いだし、そのまま居座る。
笑いどころがかなり冴えている。
しかし、奇をてらった笑いではない。
確かに自分ちの隣のお墓に気付かず参るのはありえないけれど、寅さんならありえる!と私たちが普通に受け入れてしまうところがこのシリーズの面白さ。
ワンパターンな流れの妙、寅さんというキャラクターと渥美清という俳優のなせる技が、もうひとつ、ラストの大原麗子との会話にある。
憎からず思っている男を追おうとする彼女が、寅さんに「寅さん、私ね・・・」と何か言いかける。
「おう!明日聞くからなっ、明日な!」
寅さんはそう言って、早く行けと促す。
しかし、明日はない。
振られたことに気付いた寅さんは、もう虎屋を出て行くから。
邦画の伝統がそうなのか、それとも喜劇役者がそうなのか、普通の可笑しさの中にどこか救われない寂しさが常にあって、それは働いても働いても上流にはほど遠い庶民の暮らしとか、まともな暮らしができない自由人だからとか、そんな自由人を馬鹿にしながらも憧れてしまう気持ちとか、そんな空気が流れているからだろうか。
しっかりと観よう!と思って映画館で観た3本の寅さん。
これは誇れる!
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Re:寅まつり
2010年01月10日日
寅さんシリーズは、年2回公開だったのが、その内お盆には新作がかからなくなり、年末ぎりぎりになってからの、1年に1度のお楽しみに。 これを観なければ、お正月が来ない感じでした。 初期の数作を除き、後は全て封切り時に映画館で観ています。
今回の4本には、やはり宮崎ロケ作品も含まれていたんですね。
「噂の寅次郎」は、つい先日、テレビ東京系の当地のTV局で放映され、劇場公開時以来だから確か二十数年ぶりに再見しました。 やはり良かったです。
同作にも出ていた博の父親の家があるのは、岡山県の高梁。 ということで、当県では何度かロケが行なわれているんですよ。
メインのロケ地になったのは、「口笛を吹く寅次郎」。 ヒロインは竹下景子で、弟役が中井貴一、地元びいきじゃないですが、良い作品でした。
寅さんの後、シリーズとして長寿を誇ってきた「釣りバカ日誌」(3年ほど前には岡山が舞台に)も、とうとうピリオドを打つことに。 映画館ではほとんど観ませんでしたが、寂しいですね。 また、こういうシリーズものが生まれますように!
あ、そうそう。 ヨコハマ映画祭のチケット、プレリザーブで無事取れました♪
Re:Re:寅まつり
でしたね!
出身は岡山でした。
で、確か東北地方の大学教授じゃなかったでした?
ヨコハマ楽しんできてください♪
出身は岡山でした。
で、確か東北地方の大学教授じゃなかったでした?
ヨコハマ楽しんできてください♪
思うに、、
2010年01月12日火
寅さんは哲学者だね
孤高の哲学者
気ままな旅を続ける
ホントは気ままなんかじゃないだろうけど
スナフキンと同じようなもん
Re:思うに、、
あまり色んな事は考えてなさそうですけどね(^^ゞ
Re:寅まつり
2010年01月12日火
りりーさんはヘビースモーカーなのがなんとも…。
Re:Re:寅まつり
ヤなんだよねー、って?
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