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01.28.17:37 恋の罪 ~映画~ |
今日、宮崎でも公開されたので、やっと言える。
ひと言で言うと、「男の妄想映画」。
男の、というより”園監督の”妄想映画。
園監督作品なんだから当たり前と言われればそれまでだけど、この作品の売り方として使われている「女性を描いた」という言葉に対してそう言わせてもらう。
刑事・水野美紀。
夫と子どものいる彼女は、夫の友人と愛人関係にある。
ある日愛人とのセックスの最中に呼び出され、円山町の猟奇殺人現場へと向かう。
売れっ子作家を夫に持つ女・神楽坂恵。
潔癖症で独断的な夫のため、作られた人形のように暮らしている。
ただし、本人はそうである自分にあまり疑問を感じていない。
たぶん、セックスレス。
自覚できていなかった淋しさを、たまたまやることになってしまったAV撮影で満たしてしまい、自覚できないまま「生きる」彩りに染まっていく。
大学の助教授・富樫真。
父親に対して肉親をこえた愛を抱えており、父の死を乗り越えられず、空虚さを夜の円山町に立ち、セックスで満たそうとしている。
ラブホテル街にある古い家が助教授の夜の仕事場。
そして猟奇殺人事件の現場。
切断され、マネキンと接合された女性の遺体の身元を追ううちに、刑事は女と助教授へとたどり着く。
刑事にとってセックスに支配されたふたりの女性は、真実が見えてくるほどに興味深く、また、隠している自分の姿でもあった。
東電OL殺人事件がモデルになっているそうだが、そんなことはどうでもよい。
あれだけ社会の興味を引いた事件なのだから、いくらでも物語になったし、今まで映画になっていなかったのが不思議なほどだから。
なのでこの際、あの事件のことはこの作品を語るに何の意味もない。
が、しかし、助教授の裸はガリガリにやせている。
(東電OLは拒食症だった)
だからといって、なぜ彼女がそんなに痩せているのか?という話しは作品中にはない。
園監督がよくやる、中途半端なリアリズム・・・投げっぱなしの興味の対象。
東電OL殺人事件についてネットなどで調べたことがある人ならば、彼女が拒食症でガリガリにやせた身体をしていたことは知っている。
だから富樫真の裸を観たときに確実にリンクするし、その身体が意味することをあれこれと想像するはず。
でも映画では、そこまで。
だったら、そういう演出する必要あるのかな。
で、富樫真はこの作品では残念ながら、脱ぎ損、やられ損の印象。
作品中一番ぶっ飛ばしている存在なのに、園監督が作ったオチがあんまりなため。
いくらなんでもそれはない。。。
ぶっ飛ばしている人が、あそこまで綿密に計画できる理由を述べよ!
そう言いたい。
だいたい、あの場末なラブホテルの1室で、オチがわかったあとの狂乱・狂態を見せられるこちらの気持ちになってほしい。
一気に気持ちが引いたあとに、あの大騒ぎ。
冗談じゃない。
ハリウッドならば絶対にラジー賞。
「ショーガール」のエリザベス・バークレーなんて目じゃない。
それに水野美紀。
いくらなんでもあんなM女ばかりじゃないでしょう。
この世の中。
女はレイプされるのが好きだから、と、どっかの中学生が女の子を襲っていたそうだが、それと同じレベル。
あれで性の渇きを表現するならとんでもない話し。
あの刑事はただの変態です。
それにエンドロールのバカ馬鹿しさ。
なぜあんなダメ押しをしたのか解らない。。。園監督の品の無さを感じる。
ひとつだけ、街で自殺した女の携帯を壊すのには共感。
神楽坂恵は魅力的。
なぜか?
彼女のキャラには、背景がないから。
彼女はただ流れるままに見知らぬ男に抱かれ、助教授に出会い、感銘を受け、少し早い水の流れに恐れを抱くけれどそのまま流され、たゆたいながら、澱みながら流れていく。
流行作家の妻時代の薄化粧から、港町の娼婦の濃い化粧に変わっていく。
お金さえ出せばあの胸に顔をうずめることも、もみしだくことも出来ると思えば、疲れた心を抱える者にとって濃い化粧の彼女の笑顔は癒しになる不思議。
商品だから買える。
彼女が求めているのはいつだって、自分を導いてくれる存在。
最初は夫、次に助教授。
夫には落胆したから、彼女の胸にあるのは、もう手の届かない存在になった助教授だけ。
ならば彼女はずっと商品のまま。
いくらお金を出されて抱かれたとしても、彼女が欲しいものは手に入らない。
一生、そのまま。
小さな漁師町の路地裏で、男に殴られ、蹴られながら、思い浮かべるのは講義をする助教授の姿。
バックに流れるマーラーのアダージェッド。
↑この演出(耳触りの良いクラシックを流す)も、いつもの他人のふんどしで相撲をとるという園監督の品のなさなんだけど。。。
3分の2の主要キャラがダメ。
それに、ぶっ飛んでる人に理由づけるところがどーしようもない。
いつもの過激な暴力シーンや口論、セックスシーン、何かの詩の引用、クラシック音楽は、本筋からの逃げのような気がしてならない。
園監督の作品に共通するのは、Aという議論をしているところに、何とかその議論に勝とうとしてBという事柄を持ちだして語り、Aについて煙に巻くやり方。
そういうやり方有識者ぶってる人に多いけど、そんな感じがする。
どんなに暴力的なシーンを撮ろうとも、過激なテーマを用いようとも、彼の思考そのものが本来とてもノーマルなんじゃないかと思う。
だから原作から作るという「ヒミズ」に期待したんだった。
園監督が選ぶテーマはいつも、こちら側に興味を持たせるものばかりなのに、アプローチの仕方がすごく中途半端。
面白い展開をするし、あれだけの演技を俳優たちにさせるんだから、もう少し深く物語を作らないかなぁ。
今回も、なーんか騙された感満載の作品だった。
ひと言で言うと、「男の妄想映画」。
男の、というより”園監督の”妄想映画。
園監督作品なんだから当たり前と言われればそれまでだけど、この作品の売り方として使われている「女性を描いた」という言葉に対してそう言わせてもらう。
刑事・水野美紀。
夫と子どものいる彼女は、夫の友人と愛人関係にある。
ある日愛人とのセックスの最中に呼び出され、円山町の猟奇殺人現場へと向かう。
売れっ子作家を夫に持つ女・神楽坂恵。
潔癖症で独断的な夫のため、作られた人形のように暮らしている。
ただし、本人はそうである自分にあまり疑問を感じていない。
たぶん、セックスレス。
自覚できていなかった淋しさを、たまたまやることになってしまったAV撮影で満たしてしまい、自覚できないまま「生きる」彩りに染まっていく。
大学の助教授・富樫真。
父親に対して肉親をこえた愛を抱えており、父の死を乗り越えられず、空虚さを夜の円山町に立ち、セックスで満たそうとしている。
ラブホテル街にある古い家が助教授の夜の仕事場。
そして猟奇殺人事件の現場。
切断され、マネキンと接合された女性の遺体の身元を追ううちに、刑事は女と助教授へとたどり着く。
刑事にとってセックスに支配されたふたりの女性は、真実が見えてくるほどに興味深く、また、隠している自分の姿でもあった。
東電OL殺人事件がモデルになっているそうだが、そんなことはどうでもよい。
あれだけ社会の興味を引いた事件なのだから、いくらでも物語になったし、今まで映画になっていなかったのが不思議なほどだから。
なのでこの際、あの事件のことはこの作品を語るに何の意味もない。
が、しかし、助教授の裸はガリガリにやせている。
(東電OLは拒食症だった)
だからといって、なぜ彼女がそんなに痩せているのか?という話しは作品中にはない。
園監督がよくやる、中途半端なリアリズム・・・投げっぱなしの興味の対象。
東電OL殺人事件についてネットなどで調べたことがある人ならば、彼女が拒食症でガリガリにやせた身体をしていたことは知っている。
だから富樫真の裸を観たときに確実にリンクするし、その身体が意味することをあれこれと想像するはず。
でも映画では、そこまで。
だったら、そういう演出する必要あるのかな。
で、富樫真はこの作品では残念ながら、脱ぎ損、やられ損の印象。
作品中一番ぶっ飛ばしている存在なのに、園監督が作ったオチがあんまりなため。
いくらなんでもそれはない。。。
ぶっ飛ばしている人が、あそこまで綿密に計画できる理由を述べよ!
そう言いたい。
だいたい、あの場末なラブホテルの1室で、オチがわかったあとの狂乱・狂態を見せられるこちらの気持ちになってほしい。
一気に気持ちが引いたあとに、あの大騒ぎ。
冗談じゃない。
ハリウッドならば絶対にラジー賞。
「ショーガール」のエリザベス・バークレーなんて目じゃない。
それに水野美紀。
いくらなんでもあんなM女ばかりじゃないでしょう。
この世の中。
女はレイプされるのが好きだから、と、どっかの中学生が女の子を襲っていたそうだが、それと同じレベル。
あれで性の渇きを表現するならとんでもない話し。
あの刑事はただの変態です。
それにエンドロールのバカ馬鹿しさ。
なぜあんなダメ押しをしたのか解らない。。。園監督の品の無さを感じる。
ひとつだけ、街で自殺した女の携帯を壊すのには共感。
神楽坂恵は魅力的。
なぜか?
彼女のキャラには、背景がないから。
彼女はただ流れるままに見知らぬ男に抱かれ、助教授に出会い、感銘を受け、少し早い水の流れに恐れを抱くけれどそのまま流され、たゆたいながら、澱みながら流れていく。
流行作家の妻時代の薄化粧から、港町の娼婦の濃い化粧に変わっていく。
お金さえ出せばあの胸に顔をうずめることも、もみしだくことも出来ると思えば、疲れた心を抱える者にとって濃い化粧の彼女の笑顔は癒しになる不思議。
商品だから買える。
彼女が求めているのはいつだって、自分を導いてくれる存在。
最初は夫、次に助教授。
夫には落胆したから、彼女の胸にあるのは、もう手の届かない存在になった助教授だけ。
ならば彼女はずっと商品のまま。
いくらお金を出されて抱かれたとしても、彼女が欲しいものは手に入らない。
一生、そのまま。
小さな漁師町の路地裏で、男に殴られ、蹴られながら、思い浮かべるのは講義をする助教授の姿。
バックに流れるマーラーのアダージェッド。
↑この演出(耳触りの良いクラシックを流す)も、いつもの他人のふんどしで相撲をとるという園監督の品のなさなんだけど。。。
3分の2の主要キャラがダメ。
それに、ぶっ飛んでる人に理由づけるところがどーしようもない。
いつもの過激な暴力シーンや口論、セックスシーン、何かの詩の引用、クラシック音楽は、本筋からの逃げのような気がしてならない。
園監督の作品に共通するのは、Aという議論をしているところに、何とかその議論に勝とうとしてBという事柄を持ちだして語り、Aについて煙に巻くやり方。
そういうやり方有識者ぶってる人に多いけど、そんな感じがする。
どんなに暴力的なシーンを撮ろうとも、過激なテーマを用いようとも、彼の思考そのものが本来とてもノーマルなんじゃないかと思う。
だから原作から作るという「ヒミズ」に期待したんだった。
園監督が選ぶテーマはいつも、こちら側に興味を持たせるものばかりなのに、アプローチの仕方がすごく中途半端。
面白い展開をするし、あれだけの演技を俳優たちにさせるんだから、もう少し深く物語を作らないかなぁ。
今回も、なーんか騙された感満載の作品だった。
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Re:恋の罪 ~映画~
2012年01月28日土
水野美紀みたいなM女っているんだよ、実際。
えー理解できないって思わせたら演出意図としては勝ちなんだろうね。
まぁ、どのみちこの作品はハッキリ言って駄作ですが。
Re:Re:恋の罪 ~映画~
子どもが虐待されて殺されるニュースを見るたびに、なんでそんな男とくっついてないといかんのやろ?なんで子どもを置いて部屋を出て行けるんやろ?って思うんですが、そーいうことなんでしょうねぇ。
幸か不幸か私も女のはしくれですが。
幸か不幸か私も女のはしくれですが。
Re:恋の罪 ~映画~
2012年01月28日土
そう言えば、「愛のむき出し」でもボレロが鳴り響いていましたね〜。
「恋の罪」も「ヒミズ」も見てません。
見る気にもなりません。
どうしてかしら?
あなたの言ってることがよく分かるからなのかなぁ。
Re:Re:恋の罪 ~映画~
あははー。
でも私、イヤだイヤだと言いながら園監督の作品って観たい!んですよー。
そう思わせるテーマを出してくるんですもんー。
で、またかー(-"-)って思い続けて6作目・・・・・
観ないと文句も言えないし(^^ゞ
でも私、イヤだイヤだと言いながら園監督の作品って観たい!んですよー。
そう思わせるテーマを出してくるんですもんー。
で、またかー(-"-)って思い続けて6作目・・・・・
観ないと文句も言えないし(^^ゞ
Re:恋の罪 ~映画~
2012年01月29日日
結局、園監督は愛のむきだしと、冷たい熱帯魚以外はしょーもななんだけどね。
北九州監禁殺人という最後の大物事件が残ってるからなぁ。
これ原作にしてやらんかなぁ。
ある意味、熊谷の愛犬家殺人よりディープだし。
Re:Re:恋の罪 ~映画~
うわー。
北九州監禁殺人事件・・・これはエグイ。。。。
久留米看護師連続連続保険金殺人事件はどうです?
北九州監禁殺人事件・・・これはエグイ。。。。
久留米看護師連続連続保険金殺人事件はどうです?
Re:恋の罪 ~映画~
2012年01月29日日
巨乳看護婦役で神楽坂ですね。
事件的にはいまいち面白みはありませんが、
ダークな女の一面という意味ではいいかも。
レズ設定とか、男買いとか入れて。
Re:Re:恋の罪 ~映画~
興味引くのによくレズ使いますやんね。
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