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  • 11/26/11:05

04.01.17:20

これは想像のストーリー

父は見たかった。
私は見たかった。

棺を開けるなど不謹慎であり得ないことだとわかっていても、
私たちは見たかった。
大きな保冷剤が置かれた濃い灰色のビニール袋は、彼の姿ではない。
かなり壊してしまった桐の箱からの臭いは、道端の植え込みから時折流れてくる動物の死骸のそれと、消毒とビニールと、ホームレスがたむろする駅構内の汚物とが混ざり、立ち上るだけでそこにいるだけで、生きている私たちの全身に世界中の悪意や憎悪や耐えきれないほどの悲しみが染みてしまうような、泥々の臭いだった。

わかっていても、それはすでに人ではなく、目のあたりに置かれたガーゼは焦げ茶に汚れ、顔も髪も見分けもつかず、ただ茶色とも緑ともわからないものが見えただけ。
私たちは大きく震えながらビニール袋のチャックを閉めた。
震えながらもう一度棺に釘を打った。
窓を開け、真夜中の空気を胸いっぱいに吸った。
線香を焚き、狂ったようにむせながら吸った。
煙草のけむりを、まるで極楽の蓮の花からの芳香のように思った。

父と私だけで良かった。
こんなことをするのは、私たちしかいなかった。
彼を傷つけてしまった贖罪には程遠く、だからこそどんな姿であっても見たかった。

「おまえだけは、俺より先に死ぬな」

うなづけなかった。
今、見たものの大きさが、悲しみも後悔も人らしい感情のなにもかも、私の中から流してしまったかのようで、ただそこにいて、燃えるように立ち上るお香の煙だけが生きているようだった。

『winter song』が流れてきて我にかえった。
私は此の岸にいることに感謝した。

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Re:これは想像のストーリー
2009年04月01日水

亡くなった方は見てくれたことを喜んでいると思いますよ。
外見がどんなに変わっても、自分を愛してくれているということが伝わったと思います。

Re:Re:これは想像のストーリー
hiroさん、ありがとうございます。
だけどこれは想像ですから決して決して気にしないでくださいよー。
2009/04/01 21:48

想像をしようとしても、、
2009年04月03日金

想像出来るはずがないのに、、

胸がさけそうに苦しいのは
この肺の痛みのせいだけじゃない


『不謹慎』って誰がだれに遠慮してんだよ、、
もう守ってあげられるものないのに


肉親だからだよね、、
見なかったら、闇が胸の中に残って
ずっと後悔したのかもしれない、、

Re:想像をしようとしても、、
だれのことも守ってないです、たぶんわたしは。
2009/04/03 14:23

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