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  • 11/26/13:24

04.03.02:23

イザナギは逃げる

風はとても強かったけれどお天気で、湾になっている海はあいかわらず波もなく、岬の先に行くとたくさんの潮だまりがあり、小魚がたくさん泳いでいるのが見えた。
お葬式の後、車があった場所を聞いたので、かたづけられる前に行こうと思った。
そこはよく知った所だったので、道のりも景色も容易に思い浮かんだ。

南への道のりはずいぶんと久しぶりで、思い出しては胸が熱くなりそして痛くなる出来事や、その時に見たもの感じたことが溢れて、私がとても不健康なことをしているとつくづく感じた。
心のピースを失ったときの、外に涙が流れるのではなく、内に内に溜まっていく感じ。
私がどんなに悲しんでいても苦しんでいても傷ついていても、他の誰が同じように感じる?
知っていても期待する私がいやだ。
あ、そうだったのか、と知る瞬間は、感情のどこかがスッポリと抜け落ちるようで悲しい。

落ち着いたら、、、落ち着いたら、、、。
どうすれば落ち着けるの?
落ち着きました、大丈夫です、そう言えば安心するんだ?


海辺では、おばあさんとお母さんが小さな子供を連れてお弁当を食べていた。
私もラガービールにお水にお花を持っていた。
すぐに見つかるはずの青い車が見つからない。
用水路、岬の先、そばの保養所、遊園地のまわり、海水浴場。
母に電話しようかと思ったとき、季節はずれの海水浴場の駐車場に車はあった。
見たくなかった、本当は見たくなかった、どうすればいい、どうしよう、どうしよう。
体が震えた。
見たくなかった、車の前は廃墟ではないか。

広いボンネットには猫の足跡があった。
セキュリティシステムがハンドルのそばでチカチカ光っていた。
車からはあの夜よりも野蛮な臭いがした。
太陽の下で、その臭いだけは強烈に生きていた。
桐の棺を抱きしめたように、その臭いがとても懐かしく思えた。
外からのぞいた車の中は暗く、運転席のシートは倒されていた。
助手席にはスーツの上着が畳んであった。
フロントガラスに持ってきたものを置いた。
自分の車に乗るときに、愚かにも私は私に塩をまいた。
車の中で、あの臭いが異様に立ち込めてる気がして窓をあけた。


帰り道、あの子が最後に見たものはあの廃墟だったのだろうか、と切なくなった。
ああそうか、運転席のシートが前に倒れていたのだから後ろにいたんだ、と気がついた。
ならば海が見えたんだ。
あんな廃墟ではなく。
「あたり?」
声に出して尋ねた。

あんた、私には会いたくなかったでしょ?
あんたが見つかってから大変よ、次から次へと、あんたが隠していた色んなこと、私があんたに言ったとおりじゃん、中途半端で甘くて、これで戦えるわけないじゃん。
ごめんね、わざと悪態ついてるの自分でもわかってる。
だけど言いたい。
パパがね、一日一日疲れがたまるって、無理ないよね。
私もどうにかなりそう、車を見たら余計。
めぐちゃんやママはもっと大変、現実と誰より向き合ってる。
パパや私とは大違い。

どこにいるの?
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イザナミは黄泉にて・・
2009年04月04日土


あれは
微熱と痛み止めにうなされていた
白昼夢と妄想の中の記憶

操縦している実感も乏しく
ただダラダラと道と海の境界を凝視していた

長いこと居心地の悪い穏やかな空気に麻痺しながら
いったい何を考えていたのだろう、、、



だから言っただろ

時間が薬だなんて聞きたくないって
そこんとこは良くわかってる

いつか時が流れて

「ええ、そういう事もありましたね、、」と微笑む

そんな自分を見るのはとても嫌だけど
受け入れるしかないのだから


生きてるんだから
生きて行くんだから

Re:イザナミは黄泉にて・・
夜中に遠くに住んでる友達が、何にもできなくてごめんなさい、ごめんなさい、と連絡をくれて、そういう気持ちをもらうたびに有難いなぁ、と思います。
昔は、近親相姦姉弟と言われるぐらい仲良しだったです。
言葉もない、と言いながらも、私に付き合ってくれる友達がいることが、今はすごく有難いです。
2009/04/04 15:35

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