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07.23.19:17 はばかり、行かせて |
タイトルは松本清張原作の映画「天城越え」で、刑事からの執拗な尋問の最中、田中裕子がたったひとつ望んだこと、だ。
はばかり、とはトイレのこと。
刑事はここでしろ、または行きたければ罪を認めろ、と彼女を責める。
我慢して我慢して、刑事のすきを見て走り出すが、殴られ、部屋のすみに飛ばされた彼女はそこで失禁する。
去年観た「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」では、永田洋子に総括を求められ、応えられない遠山美枝子が柱にしばられ、トイレにも行かせてもらえず、そこで垂れ流し、精神に異常をきたしていく。
排泄という行為は、私たちが生まれて最初に教わるしつけ、である。
動物との違いは、それが何よりもプライベートな行為であるということ。
性行為などで相手の排泄を見たり見せたり、あるいは口にしたり、などという性的嗜好の人たちもいるが、それらが究極なのは、これは異性愛者も同性愛者も含め、ごく一般的な性行為としては行わないものだから。
排泄は、人としての尊厳を守る大切な行為だから。
さすがの私も、性行為中それを求められたら確実に引く。
今日、祖母が脳梗塞で倒れた。
とても快適なグループホームに入所している彼女だが、少し前に初めて失禁したそうだ。
すでに呆けているが、トイレは自分でできていた。
私は彼女と話をするのがとても好きだ。
何故なら、彼女は私を孫だとは気付かず、どこからかやってきた美人(笑)として話してくれるから。
しばらくすると孫だと気づいてくれるけど、それでも彼女の中では私は独身で、まだ特定の恋人もいない。
だから私は彼女に合わせて、好き勝手な話をして帰る。
3時ぐらいに母からの携帯メールを見て、足元が崩れそうになった。
大好きなおばあちゃん。
彼女との、不思議で楽しい時間旅行は、私にとって何よりの癒しだから。
病院に行くと、高気圧酸素治療といって、昔の映画に出てくるような潜水艦みたいな、透明の容器の中に祖母が寝かされていた。
目をきょろきょろさせていた祖母に、すごいとこ入ってんじゃん♪おばあちゃん!と声をかけた。
母がマイクみたいなものを渡したので、それを使って「面白いとこで寝てるねー」と言うと、
いつまで寝てるのか?と尋ねてきた。
横においてあるタイマーが6分何秒、と出ていたので、その時間を教えた。
持っていた情報誌の、私の原稿のページをガラス越しにみせて、明日は延岡に行くんだよ、取材だよ、おみやげ買ってくるわね、と話したら、「あんたは、45ちゃんね」と笑った。
少し前に初めて失禁した祖母は、それから水分をとることを怖がっていたらしい。
そんなことは十分分かっている介護者のいるグループホームでも、トイレに行くこと、自分でできるか怖くなっていたそうだ。
ここのところの暑さで、水分を取らないでいると、そりゃ血液どろどろになるよ。
大丈夫だよ、もういいんだよ、そう言っても祖母はトイレに行きたいと言った。
病院の看護師さんが大きな声で「おむつしてるから、そのままでいいのよ」と言うと、
大きな声を出さないでくれ、と祖母は訴えた。
ああ、ダメだ。こんなところからは早く出してあげなければ、そう思った。
私もいつか祖母のようになるだろう。
もやのかかった頭でも、人前で排泄することを恥だと思うだろう。
もしかすると、それさえも気付かないほどボケてしまうかもしれない。
切ない。
難儀だね、人ってほんとに。
だけど、まだおばあちゃんには母も叔母もいるし私もいる。
だんだん可愛い子どものようになっていく祖母と、空想の話をするんだよ。
私の大好きな人の話を聞かせてあげようね。
あばあちゃんの会いたい人に会わせてあげようね。
だからもう少し、私と一緒にいてね。
はばかり、とはトイレのこと。
刑事はここでしろ、または行きたければ罪を認めろ、と彼女を責める。
我慢して我慢して、刑事のすきを見て走り出すが、殴られ、部屋のすみに飛ばされた彼女はそこで失禁する。
去年観た「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」では、永田洋子に総括を求められ、応えられない遠山美枝子が柱にしばられ、トイレにも行かせてもらえず、そこで垂れ流し、精神に異常をきたしていく。
排泄という行為は、私たちが生まれて最初に教わるしつけ、である。
動物との違いは、それが何よりもプライベートな行為であるということ。
性行為などで相手の排泄を見たり見せたり、あるいは口にしたり、などという性的嗜好の人たちもいるが、それらが究極なのは、これは異性愛者も同性愛者も含め、ごく一般的な性行為としては行わないものだから。
排泄は、人としての尊厳を守る大切な行為だから。
さすがの私も、性行為中それを求められたら確実に引く。
今日、祖母が脳梗塞で倒れた。
とても快適なグループホームに入所している彼女だが、少し前に初めて失禁したそうだ。
すでに呆けているが、トイレは自分でできていた。
私は彼女と話をするのがとても好きだ。
何故なら、彼女は私を孫だとは気付かず、どこからかやってきた美人(笑)として話してくれるから。
しばらくすると孫だと気づいてくれるけど、それでも彼女の中では私は独身で、まだ特定の恋人もいない。
だから私は彼女に合わせて、好き勝手な話をして帰る。
3時ぐらいに母からの携帯メールを見て、足元が崩れそうになった。
大好きなおばあちゃん。
彼女との、不思議で楽しい時間旅行は、私にとって何よりの癒しだから。
病院に行くと、高気圧酸素治療といって、昔の映画に出てくるような潜水艦みたいな、透明の容器の中に祖母が寝かされていた。
目をきょろきょろさせていた祖母に、すごいとこ入ってんじゃん♪おばあちゃん!と声をかけた。
母がマイクみたいなものを渡したので、それを使って「面白いとこで寝てるねー」と言うと、
いつまで寝てるのか?と尋ねてきた。
横においてあるタイマーが6分何秒、と出ていたので、その時間を教えた。
持っていた情報誌の、私の原稿のページをガラス越しにみせて、明日は延岡に行くんだよ、取材だよ、おみやげ買ってくるわね、と話したら、「あんたは、45ちゃんね」と笑った。
少し前に初めて失禁した祖母は、それから水分をとることを怖がっていたらしい。
そんなことは十分分かっている介護者のいるグループホームでも、トイレに行くこと、自分でできるか怖くなっていたそうだ。
ここのところの暑さで、水分を取らないでいると、そりゃ血液どろどろになるよ。
大丈夫だよ、もういいんだよ、そう言っても祖母はトイレに行きたいと言った。
病院の看護師さんが大きな声で「おむつしてるから、そのままでいいのよ」と言うと、
大きな声を出さないでくれ、と祖母は訴えた。
ああ、ダメだ。こんなところからは早く出してあげなければ、そう思った。
私もいつか祖母のようになるだろう。
もやのかかった頭でも、人前で排泄することを恥だと思うだろう。
もしかすると、それさえも気付かないほどボケてしまうかもしれない。
切ない。
難儀だね、人ってほんとに。
だけど、まだおばあちゃんには母も叔母もいるし私もいる。
だんだん可愛い子どものようになっていく祖母と、空想の話をするんだよ。
私の大好きな人の話を聞かせてあげようね。
あばあちゃんの会いたい人に会わせてあげようね。
だからもう少し、私と一緒にいてね。
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Re:はばかり、行かせて
2009年07月23日木
うちのおばあちゃんは、楽しそうにトイレの後を拭いてもらってるよ。うちのお袋に。
Re:Re:はばかり、行かせて
気持ちいいんでしょう~~。
お母さんはキツイやろうけど・・・・
お母さんはキツイやろうけど・・・・
Re:はばかり、行かせて
2009年07月23日木
45さんがお祖母ちゃんの今の世界を自然に共有して時間旅行を楽しんでいる姿がものすごく微笑ましくて、あったかーーーいもんがこみ上げました。
貴女には不思議な力がありますね。
いつもそう思っています。
Re:Re:はばかり、行かせて
おー?
褒められてるんですか?私 嬉しいなぁー。
日曜日の交歓会後から、先生とか保護者が私を見かけると笑うんですよ・・・
大変でしたねぇー、、、、って
褒められてるんですか?私 嬉しいなぁー。
日曜日の交歓会後から、先生とか保護者が私を見かけると笑うんですよ・・・
大変でしたねぇー、、、、って
Re:はばかり、行かせて
2009年07月24日金
別にきつそうじゃないけど…。
Re:Re:はばかり、行かせて
そうなんだ!ってかすみません、私の主観で・・・
私もしとかんとねー、と思ってたまに手伝いするんですが、やっぱ他人のだからかなぁ・・・臭いはたまらん。マスクはするけど。
私もしとかんとねー、と思ってたまに手伝いするんですが、やっぱ他人のだからかなぁ・・・臭いはたまらん。マスクはするけど。
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