11.25.17:25 [PR] |
01.11.22:52 冬の小鳥 ~映画~ |
~ネタバレしてるかもです~
子どもや動物の瞳は何も言わなくてもひどく何かを訴えているように見える。
伝えたい気持ちがあって、でもだからこそ上手く言葉にできなくて黙ってしまう。
そんな気持ちが瞳や表情にあふれて、その沈黙は切ないほど見るものに語りかけてくる。
主人公ジニを演じたキム・セロンが素晴らしいのはもちろん、この作品は誰に対しても媚びていない。
ほとんどBGMもなく、こちらの気持ちに訴えるような演出もない。
ただ静かに流れていき、ロケーションも孤児院のみ。
出演者の演技と殺伐として見える冬の孤児院のロケーションだけがある。
それだけなのに胸に訴えてくるものの重さはしっかりと感じられる。
ただひたすらに一人の少女が自分の足だけで立っている。
立とうとしている。
その姿が凜として、素晴らしい作品だった。
何かを強く求めてその何かを諦めるとき、そこから始まるもの見えるものがある。
主人公のジニは、新しい母親とうまくやっていけない自分を孤児院に捨てた父親のことを待っている。
捨てられたことを信じたくはないから自分は周りの子どもたちとは違うと思っている。
年上のスッキと仲良くなり、やっと状況を受け入れられそうになるがスッキはアメリカ人夫婦へ養女にもらわれてしまう。
タイトルの冬の小鳥だが、傷ついた小鳥を孤児院でひろったジニとスッキが世話をする小鳥がいる。
冬の雨に打たれて死んでしまう小鳥と、孤児院で暮らす子どもたちが重なる。
それは本来どちらも温かく見守られるべきもの、優しくされ守られるべきものたち。
まだ幼いジニが、父やスッキに表現される自分を守ってくれるべき存在を求めてそれを諦めるまでにもがき続ける姿は、それを諦め一歩踏み出すための大切な儀式だと思う。
中には色んな状況を一瞬にして受け入れて次へ進むことを良しとする人もいるだろう。
でも、それは違うと私は言いたい。
求めたものへの気持ちが強ければ強いほど、それを諦めるためのエネルギーは計り知れない。
めちゃめちゃにもがいていいと思う。
時間がかかっても良いと思う。
もがいてもがいて、もしも命を落とすことになったとしても私は良いと思う。
命をおとさずに生き直すことができたら、そこから見える景色はどんなに新しい景色だろう。
生き直せた人は、どんなに新しい自分を持つだろう。
そこから踏み出す一歩は、どんなに新しい一歩だろう。
向き合い続けた自分の姿は、どんなに新しい自分だろう。
そんな新しい自分になれたとき、一歩を踏み出したときにこそ、抗えなかった過去を真っ直ぐに見ることができるものだ。
ジニが養父母のもとへ行く飛行機の中でみた夢は、求め続けた父親の背中を感じながら自転車に二人乗りする夢。
二人乗りの自転車は暗闇をライトで照らしている。
ジニは父を諦め新天地へ行くが、それでも彼女の心のなかには父がいて、そして今でも父と一緒に生きている。
そんな自分自身を受け入れたから、ジニは心細げにひとりで飛行場に降り立つが、しっかりと養父母の顔を探しているのだ。
養父母を見つけようとしている瞳や表情で暗転するラストは、ジニが踏み出した大きな一歩を表わしている。
心の底から素晴らしいと思える作品。
この作品を理解できることを誇りに思う。
子どもや動物の瞳は何も言わなくてもひどく何かを訴えているように見える。
伝えたい気持ちがあって、でもだからこそ上手く言葉にできなくて黙ってしまう。
そんな気持ちが瞳や表情にあふれて、その沈黙は切ないほど見るものに語りかけてくる。
主人公ジニを演じたキム・セロンが素晴らしいのはもちろん、この作品は誰に対しても媚びていない。
ほとんどBGMもなく、こちらの気持ちに訴えるような演出もない。
ただ静かに流れていき、ロケーションも孤児院のみ。
出演者の演技と殺伐として見える冬の孤児院のロケーションだけがある。
それだけなのに胸に訴えてくるものの重さはしっかりと感じられる。
ただひたすらに一人の少女が自分の足だけで立っている。
立とうとしている。
その姿が凜として、素晴らしい作品だった。
何かを強く求めてその何かを諦めるとき、そこから始まるもの見えるものがある。
主人公のジニは、新しい母親とうまくやっていけない自分を孤児院に捨てた父親のことを待っている。
捨てられたことを信じたくはないから自分は周りの子どもたちとは違うと思っている。
年上のスッキと仲良くなり、やっと状況を受け入れられそうになるがスッキはアメリカ人夫婦へ養女にもらわれてしまう。
タイトルの冬の小鳥だが、傷ついた小鳥を孤児院でひろったジニとスッキが世話をする小鳥がいる。
冬の雨に打たれて死んでしまう小鳥と、孤児院で暮らす子どもたちが重なる。
それは本来どちらも温かく見守られるべきもの、優しくされ守られるべきものたち。
まだ幼いジニが、父やスッキに表現される自分を守ってくれるべき存在を求めてそれを諦めるまでにもがき続ける姿は、それを諦め一歩踏み出すための大切な儀式だと思う。
中には色んな状況を一瞬にして受け入れて次へ進むことを良しとする人もいるだろう。
でも、それは違うと私は言いたい。
求めたものへの気持ちが強ければ強いほど、それを諦めるためのエネルギーは計り知れない。
めちゃめちゃにもがいていいと思う。
時間がかかっても良いと思う。
もがいてもがいて、もしも命を落とすことになったとしても私は良いと思う。
命をおとさずに生き直すことができたら、そこから見える景色はどんなに新しい景色だろう。
生き直せた人は、どんなに新しい自分を持つだろう。
そこから踏み出す一歩は、どんなに新しい一歩だろう。
向き合い続けた自分の姿は、どんなに新しい自分だろう。
そんな新しい自分になれたとき、一歩を踏み出したときにこそ、抗えなかった過去を真っ直ぐに見ることができるものだ。
ジニが養父母のもとへ行く飛行機の中でみた夢は、求め続けた父親の背中を感じながら自転車に二人乗りする夢。
二人乗りの自転車は暗闇をライトで照らしている。
ジニは父を諦め新天地へ行くが、それでも彼女の心のなかには父がいて、そして今でも父と一緒に生きている。
そんな自分自身を受け入れたから、ジニは心細げにひとりで飛行場に降り立つが、しっかりと養父母の顔を探しているのだ。
養父母を見つけようとしている瞳や表情で暗転するラストは、ジニが踏み出した大きな一歩を表わしている。
心の底から素晴らしいと思える作品。
この作品を理解できることを誇りに思う。
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Re:冬の小鳥 ~映画~
2011年01月13日木
あなた程、深く理解したかどうかは分からないけど,見ている間途切れなく感動しっぱなしでした。
素晴らしい子役でしたね。
お父さんの背中をどれほど待っていたか、でも、最後はそれを振り切って新しい親を捜すって、監督自身の事なので真実みがありました。
Re:Re:冬の小鳥 ~映画~
素晴らしい作品でしたねーーーーー。
苦しくて忘れてしまいたい過去って、諦めなきゃー!忘れなきゃー!って思っているうちは全然ダメだけど、あるきっかけでスルッと消えるというか浄化するものじゃないですか。
それができるとしっかりと過去に向き合うことができるんですよねぇ。
冷静に見つめて、ちゃんと受け入れることができる。
そして時に気持ちは過去に旅しては今の暮らしに戻り、未来を夢見て、また時には過去に旅する。
小さい子が最後に真っ直ぐな瞳で新しい両親を探していた場面は監督がホントにああだったのでしょうね。
捨てることができない過去も含めて自分であって、それを受け入れたから新しい未来に綺麗に踏み出すことができる。
後で実体験だったと知って、なるほどなぁと納得しました。
harupyさん好みの映画でしたね♪
苦しくて忘れてしまいたい過去って、諦めなきゃー!忘れなきゃー!って思っているうちは全然ダメだけど、あるきっかけでスルッと消えるというか浄化するものじゃないですか。
それができるとしっかりと過去に向き合うことができるんですよねぇ。
冷静に見つめて、ちゃんと受け入れることができる。
そして時に気持ちは過去に旅しては今の暮らしに戻り、未来を夢見て、また時には過去に旅する。
小さい子が最後に真っ直ぐな瞳で新しい両親を探していた場面は監督がホントにああだったのでしょうね。
捨てることができない過去も含めて自分であって、それを受け入れたから新しい未来に綺麗に踏み出すことができる。
後で実体験だったと知って、なるほどなぁと納得しました。
harupyさん好みの映画でしたね♪
Re:冬の小鳥 ~映画~
2011年01月14日金
こちらでは、お久しぶりです。
この作品、はるぴーさんも「早くも今年のベストワン」だと書いておられました。
岡山では、まだ先、2月下旬の公開なんです。
早く観たい!
ところで今日は、マイルが貯まったのでご近所シネコン『TOHOシネマズ』にて【1ヶ月フリーパスポート】に交換してくるつもりなのです。
来月13日まで、たっぷりと映画の旅をしてきます♪
Re:Re:冬の小鳥 ~映画~
お久しぶりです!
お元気そうで何よりです。
はるぴーさん好みの作品でしたもんね、確かにね。
TOMさんが何とコメントされるか楽しみです。
お元気そうで何よりです。
はるぴーさん好みの作品でしたもんね、確かにね。
TOMさんが何とコメントされるか楽しみです。
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