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  • 04/26/11:50

01.09.23:41

花だけはくれるな

kaho1.jpgこの人のことは初めて出すが、この表現・感覚・死生観に惹かれてやまない小川洋子以外に、私がその表現・感情の正直さには恋に似た感覚に陥る作家が中山可穂である。
彼女の書く物語には、最初から最後まで一気に読ませてしまう力があるのだけれども、読んでいるあいだ、あまりにも息をつめてしまい酸欠になりそうなので、何度も何度もページをめくる指を止める。
「もうだめ、むり」と感じ、続きが気になるのに2日も3日も本を手にとれないときもあった。
児童売買春をテーマにした『闇の子どもたち』を3時間ほどで完読した私ですら。

そこに描かれるのは、暖かい陽だまりの中にまどろむような心地よい関係ではなく、常に抱きあっていなければ死んでしまう、と恐怖するような、どうしても永遠など存在しないような苦しい関係である。
もしそのどこかに永遠が存在するとしたら、汗と体臭と体液にまみれたふたりが、ひととき昇りつめ無我の境地にたどりつく、オーガズムの中だけ、だろう。

kaho2.jpg彼女の小説は、本当に読むのが恐ろしく、中でも山本周五郎賞を受賞した「白い薔薇の淵まで」はイタい・・・・というレビューをさんざん読んでいたので、手に取ることすら、本屋でタイトルを見ることすら避けていた。
が、またぞろ世の中から見たらたいしたことのないこと、でかなりのストレスを溜めてしまった私は、そのストレスのために極端な行動に出てしまいそうなのをその本を購入することで紛らそうとした。

胸の中で、流れない涙があふれる。
外に流れない涙は、私の中に溜まっていく。
ああ・・・また澱む。

どんよりしながら読み終えて、最後の彼女の山本周五郎賞受賞記念エッセイのタイトルに目がいった。

「花だけはくれるな」

賞を受賞した彼女のアパートの部屋に、所狭しと花が贈られてくる。
花はどんなに高価であっても食べることはできない。
自分はまだまだ貧乏作家なので、そんなものに高いお金をかけてくれるなら、食べられるものを送ってほしい、というのがおおまかな内容である。
その中にさりげなく、しかし強い意志を持って、彼女と同居するパートナーへの愛が語られている。
その部分に触れたとき、それまでの流れなかった涙がフイに落ちた。

正直であること、が最高の美徳のように思っている私でも、バカバカしい嘘をつく。
この人の正直さには負ける・・・・・
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Re:花だけはくれるな
2009年01月10日土

中山さんの著書はまだ1冊も読んだことがありません。
女性の方がより深く、のめり込んでしまう小説みたいですね。

「白い薔薇の淵まで」は2002年の【山本周五郎賞】受賞作ですか。
同時受賞の「五年の梅」(乙川優三郎)は読みました。
そして現在、2008年の本賞受賞作「ゴールデンスランバー」を、
ちょうど読み始めたところ。

近くなら、読み終わった本を交換できるんですけどね(笑)。

Re:花だけはくれるな
2009年01月10日土

この人のお話は最初読んだのが「ジゴロ」という短編集で軽めだったのですが、私、キレイな女の人好き~♪と言いながらもレズビアンに魅力を感じないので、あまりピンとこなかったです。

「マラケシュ心中」からです、いけない!いけない!と感じながら抜けられなくなったのは・・・・(笑)

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