11.25.11:12 [PR] |
06.07.22:29 接吻 ~映画~ |
この作品はかなり賛否が分かれると思う。
好きか嫌いか、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」みたいに。
ラストに触れます。
他人と上手に交わることのできない京子(小池栄子)。
強盗殺人犯の坂口(豊川悦司)の顔を見た彼女は、彼に自分と同じ心を感じる。
無表情で残業をする小池栄子からは、潔いほどの孤独を感じた。
金槌を持って惨殺の舞台を探す豊川悦司には、切ないほどの孤独を感じた。
彼らがシンパシーを感じあうことは、それらのシーンを見ただけで伝わってくる。
坂口と懇意になり、明るく「一緒に戦おう」と言う京子が目指す場所は、たった二人だけの世界。
自分たちだけが存在し、わかり合えればいい、他には誰もいらない、わかってもらえなくていい。
彼らと外の世界を繋ぐのは弁護士の長谷川(仲村トオル)。
彼はいつもまともなことを言う。
そして理性と言葉と行動で、相手の心を開けると信じている、またはそうできると思っている。
違う。
分かりあえる心と心には、理屈は存在しない。
出会った瞬間に、そこに何かを感じるものだ。
言葉ではなく、ただ、感じるものだ。
だからこそ長谷川の言葉は、坂口にも京子にも空しく響く。
なぜなら、ただの言葉だから。
この作品は、そういう精神性に満ちていた。
小池栄子という女優が、そんな世界を理解して演じることができるとは思わなかった。
坂口と燃え尽きることを見つめて生きる明るさ、そして何もかも分かっていたかのような二人の最期。
どうしてそんな風にしか生きられなかったのか・・・・?
そんな思いは野暮だ。
孤独は誰もが少なからず抱えている。
他人には分かってもらえない思いを、理解してくれる誰かと出会ったら、それだけでいい。
そんな切実な思いの大きさだけが、観る人にこの作品の空気を受け入れるか受け入れないか、ふるうのだと思う。
有り得ないことではない。
誰かに何かにシンパシーを感じることは理屈ではない。
私は今だからこそ、この作品を受け入れたと思う。
しかし、このコピーはいただけない。
これは決して究極の愛ではないし、衝撃の結末ではない。
だいたい結末について観客に刷り込みするセンスのなさがいただけない。
でもそういうコピーって多い・・・
Re:接吻 ~映画~
2009年06月08日月
凄く衝撃的で暗い感動を覚えた
見終わったあとしばらく
ずっと
画面を眺めていたが
帰る人たちの姿はスローモーションのよう
ありえる関係だと思う
自分しか持たないと感じていた感性と同じ感性の人間に出会ったときの感動と強烈な喜びと行動
ガラス越しではない出会いにわくわくした笑顔かと思いきや
弁護士へのプレゼントとともに秘められたたくらみ
最後の
接吻の相手が何故弁護士だったか・・・?・・・いくら考えても?
観ましたか!これ!いらしてたんですね!
私も、こんな関係はあるなぁ、と思ったというかすごくスンナリ自分の中に入ってきて怖いぐらいでした。
あまり「わかる、わかる」って言ってはいけないような・・・
最後ですよね、私も思った!
あれは何でだろう・・・
Re:接吻 ~映画~
2009年06月08日月
小林信彦「B型の品格」によれば、小池栄子は「京子の気持ちが分からない」と言って演じていたそうです。それでもこういう傑作が生まれるのだから、映画は面白いですね。
僕は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は大嫌いですが、この映画は面白かったです(^^ゞ
演じる人の気持ちの中に葛藤があるから魅力的だったんですねぇ・・・・
いやぁ~~・・・・勉強になりました・・・・・小池栄子、全然好みじゃないけど、とっっっっても素敵でしたねぇ。
B型ですか!彼女
Re:接吻 ~映画~
2009年06月08日月
これほど集中出来た映画もなかなか無いです。
訳も無く殺された人への痛みが私には何よりも強いので、殺人者への憎しみがどうしても燃えたぎって来るから、
彼らを理解出来てどっぷりな人と、理解出来ないで金縛りにあう人とはまた違う画面が見えているのかも知れない。
私は阿呆みたいに分からないままだった。
ラストもあんな風になるとはこれっぽっちも気づかなかったし、
弁護士に接吻したのは感謝の気持ち?それとも本当はあの優しく理性ある普通の人間と普通に暮らしたかった、、と言う意味も含まれてるの?
それとも私には分からないけど、弁護士への嫌み?
そういう人間の深層心理が分からないと言うことで,分からないイクオール嫌い、ではない。ダンサー・イン・ザ・ダークは大きらいだったけれど、これは好きとは表現出来ないけれど、凄く面白かった。
好きでも嫌いでもない、こないだの「グラン・トリノ」と同じ感覚です。
最後の弁護士とのキスは、もうこれ以上私に関わらないで、という彼女の強い意志かなぁ・・・と思いました。
あのあと、彼女は弁護士に心を許していくのか、それとも弁護士が彼女の心の闇に取り込まれるか・・・・それはわかりませんが、すごーく深いお話だったですね。
もう、、、、殺した家族を囲んでのハッピーバースディ、辛かったー。
で、夕方になって思いついたんですが、あのキスは儀式ですね。
感謝とか決別とかけじめとか、そういう意味の。
そう思いました。
Re:接吻 ~映画~
2009年06月08日月
たいがいの映画は最後の5分までくれば
およその結末は ストーリーとして予測できる
途中から 京子は 坂口と同じ境遇になるために 何かの事件を起こすだろうとは感じていた
接見室で弁護士のカバンからプレゼントを取り出した瞬間に あっ 刺すんだー とも思った
そして 題名が「接吻」であるから・・・当然愛する人を刺すことで自分と同じ境遇にとどめながらの 愛情としての接吻をすると思っていた
でも 全く理解できない行動
私が理解することを拒むかのようなシーンで終わってしまった
最後の最後の瞬間に こんなにも混乱させられた映画を 私は初めて見た
小池栄子が「京子の気持ちはわからない」というコメント・・・ありがとうございます
少し救われた気がしました
主演した彼女がわからないわけだから・・・
でも 何故なのかはしっかり考えていき
いつか見つけたい
でなければ終われない気がする
一生の記憶に残る映画に出会えさせていただき ありがとうございます
ただ、彼女が何をやっても驚かないぞ・・・とは観ていて思っていました。
確かに暗ーい作品でしたし、あんな無差別殺人なのに犯人を憎いと思えなかったんですよー。
彼の孤独に寄り添ってしまいました
口直しに「昴~スバル~」良かったですよ
Re:接吻 ~映画~
2009年06月08日月
何事もバランスが大事
よし
じゃー 次は 昴-スバルだね・・・ん?・・・昴って谷村新司の♪
まあー 見ればわかるね
で、さーらばー♪じゃなくて
女優で観る
2009年06月08日月
テーマがわかりやすいので
お客さんにも好評だろうね
女優で選ぶならば
僕は黒木メイサと小泉今日子にカトリーヌ・ドヌーヴ
それに樹木希林で
たぶん小池栄子は選ばないと思う
けれど
そんな演技をするのなら観てみたいが
けっこう痛そうだな
僕も
その押し付けがましいコピーは嫌いだ
「昴」にはメイサの他にもスタイルの良い、可愛い女性たちがわらわら・・・と。
桃井かおりが脇役に徹底しているのも格好良かった!
小池栄子は話のタネに観といたほうが・・・とは思いますが・・・
Re:接吻 ~映画~
2009年06月10日水
映画を見ないので、どうコメントいれようかと
迷ううち、日が過ぎてしまいごめんなさい。
記事を読むうちに、映画見たいなと・・・
すごく思えるようになりました。
特にこの接吻。皆さんの感想を見ていても
すごく見たいです!!。
体調はいかがです?
霧島は楽しかったようで、良かったです。
この作品、貴女がなんて感じるか、興味あるわー。
DVD出てますよ。
貴女には安心できる環境でのんびり観てもらえたら嬉しい。
ホントに嬉しい。
いつか観たら教えてね。
Re:接吻 ~映画~
2009年06月11日木
見た後で、他の人の感想を読むときっと自分のその時感じたものが変わってしまうと思ったので、どのレビューも読まずに感想をUPしました。私が受けた正直な感想と捉え方なのですが、ここにきて貴女の「接吻」を読んだら、とたんに自分の感じた事に自信が無くなってきました。見ている部分が違うなぁと思う。
「接吻」については、私の感じ方がどうというよりも、今年になって私が経験したことがすごく影響しているので、違って当然だと思うし、きっと作者の意図とも違うと思います。
よくwolfさんが言うところの私の偏愛な部分もいっぱいあるし、某支局長の感想や、彼が聞いてなるほど!と思ったという工藤氏の意見とも全然違うことを感じていたし、極個人的な感覚なんだろうと思うので、気にしないほうが良いです。
でも、「共感はできないけど、これだけ話せるんだから優れた作品であることは確かなんだよ」と支局長が言ってたとおり、作品としては良いものだっとは皆共通して思ってるようですね。
だいたい、あんな無差別殺人を憎いと感じられなかったこと自体、精神が病んでますよね、ずいぶんと。
だから大きな声じゃ言えないわ。
- トラックバックURLはこちら