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  • 08/28/13:06

12.18.00:17

TOKYO! ~映画~

「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー。
「ポンヌフの恋人」のレオス・カラックス。
「殺人の記憶」のポン・ジュノ。
三人の監督による東京を舞台にしたオムニバス。


「インテリア・デザイン」監督ミシェル・ゴンドリー
主演:加瀬亮、藤谷文子
 この三作の中では一番ファンタジー性が強い。
ボロボロ車を運転、友だちの部屋にお世話になる、狭いアパートに四人で寝る、などの東京一人暮らし生活感は面白いけど、いかんせん出演者たちに魅力がない。

「メルド」監督レオス・カラックス
主演:ドゥニ・ラヴァン
 ドゥニ・ラヴァンのマイムのような動きはとても素敵だと思う。
しかし、レオス・カラックス。
「汚れた血」から「ポーラX」まで、彼はいつも何かに腹を立てているように感じる。
彼の暴力性は作品としての魅力でもあるのだろうが、今回は許せる範囲ではなかった。

「シェイキング東京」監督ポン・ジュノ
主演:香川照之、蒼井優
 優ちゃんの含み笑顔は、10年間引きこもりの中年男を外出させる程の威力があるのだ!
この三作の中では一番普通に映画してた作品。


ものすごくヒマだったらご覧になるのも良いかもしれません。。。。

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12.17.16:58

イースタン・プロミス~映画~

とても暗くて救いようのない話でしたが、好きです。
最初から最後まで画面上で流される血、そして物語に流れる血、それらがロシアという広大な国やその大地が吸い込んできた多くの民族の血なんだと感じました。

登場人物たちは皆、ロシアという国で繋がってはいるけれど、それぞれに民族が違い、だけど異国に住み、ロシアという名前を抱えている。
ナオミ・ワッツはロシアの未来を、ヴィゴ・モーテンセンは未来を影で支え、ヴァンサン・カッセルは過去を抱えて未来を生きる。
彼ら全てに共通するのは、体の奥に熱いけど冷たく暗い歴史があること、それは国の歴史を含み。
それらに耐えぬいている静けさと涙がなんともいえず心を打ちます。
三者三様の気持ちの変化が胸を締め付けられるほどに切ないのと、ヴィゴのスーツ姿の男っぷりのよさ、ヴァンサンの表情、ナオミの格好良いライダーぶり、大好きでした。

裸の立ち回りは痛そうでしたが、ついつい目で追ってしまう・・・
たぶんいい感じじゃないかと思います。
とにかくヴィゴならパーフェクト♪
格好良かったです。

個人的にはヴァンサンがたまらなく好きでした。
ヴィゴとナオミの切ないラブシーンも、とても素敵な場面であるはずなのに、
「お願いだからヴァンサンに見つからないうちに早く離れてーーー!」としか思えず。
だって彼、どうしたってあと少しするとヴィゴから捨てられる運命。
それがわかるからこそ、せめて今だけは、せめてもう少しだけ、彼に勘違いで良いから愛を・・・
ノンケってそういうとこ、鈍感すぎる。
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12.17.16:49

やわらかい手~映画~

「平凡な主婦」「お気楽な主婦」なんて言葉、聞くと悲しくなる。
昼間のお友だち同士のランチ風景を見たら、そりゃそんな言葉使いたくなるかもしれないけれど、もしかしたらたまーーーーのお休みにお友だちと楽しく過ごしているだけかもしれない。
しょっちゅうランチやってます、なんて人、そうそういないハズ。

そんな人も本当にはいるんだろうけど、独身者にだってキチンとしたのもいれば適当なのもいるだろう。
少なくとも私の周りを見る限り、主婦たちは誰もが様々な悩みを抱えて、日々を真剣に過ごしている。
時間に縛られ、倫理に縛られ、でも心は自由だから辛い。
子どもがいれば尚更。

旦那の金で楽してる、とか、旦那さんがいるのに、なんて意見、大きなお世話。



難病の孫を持つマギー。
彼女は手術費用のために仕事を探すが、資格なし、主婦歴は長いが職歴は短い、特技なし、そして年配、そんな彼女に仕事が見つかるはずがない。
たまたま見つけた『ホステス募集・高給』のチラシにひかれて入ったお店はセックス・ショップ。
貴女は年配だからコレはどうか?と紹介されたのは、『男を手でイカす』仕事。

気持ち悪がりながら始めた仕事なのに、瞬く間に彼女は売れっ子。
孫のために始めたけれど、その気持ちは決して変わらず、だけど今まで過ごしてきたお茶の会や慈善パーティ仲間とは疎遠になる。
だって退屈だから。
彼女たちだってマギーを馬鹿にしてた。
何もできない、退屈な女、と。


「パリ、テキサス」を思わせるようなBGMに、青空の似合わないロンドンの場末の繁華街。
そこを、一見普通のオバチャンのマリアンヌ・フェイスフルがゴッド・ハンドを手袋に秘めつつ歩く。
とても乾いて淡々とした映像だが、それらが彼女の今までの生き方や現在の不思議な高揚を表しているようで面白い。

どんなに稼いでも、彼女は今までの小市民的生活を変えてはいない。
素直に実直に真っ直ぐに、彼女は家族のために生きてきたんだろう。
だけど少し自由になって、自分のためのナッツバーも、近所の知り合いの白い目も、これから待っている彼女の人生の彩りになる。

なーんかまだまだやれるかも♪!
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12.17.16:47

胡同の理髪師~映画~

92歳のチンおじいさん。
故宮の裏の胡同の家で、いつも5分遅れるネジ式時計と猫と金魚と住んでいます。
仕事はリヤカー付きの自転車に乗って、なじみの家に行き、髪を切り、ひげを剃る理髪師。
彼のなじみのお客さんたちは、彼に負けずお年寄り。
だけど、皆、年はとったけれども彼から顔を剃ってもらうことで人間らしく生きていられるのです。

最近の中国のニュースは良い話題がなく、中国人自体の印象も悪くなりがちなのです。
この作品の中にも北京の街の高度成長のために、素敵な雰囲気の胡同が解体される、という話題もでてくるし、街や自分たちの成長のためには、そんなことなどまるで気にしてなさそうな人々も出てきます。

しかし、そんな中にもチンおじいさんのように、ただ真っ直ぐに自分の人生を生き、今までの時代の流れも全て受け入れてきたような人を見ると、どこの国も同じなんだなぁと感じました。
中国は人が多い分、色んなことが目立つだけで(~~;)

北京、美しい街ですね。
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12.17.16:44

スルース~映画~

目を見張る洒落た内装と家具、壁一面に貼られた自身の肖像写真、それらは専制的で、訪問者に服従を強いるかのよう。
妻を失った老醜の作家が、若く美しい妻の恋人を招きいれたのは、彼自身ともいえる虚飾と傲慢極まりない人工の美にあふれた館の中。
その中で繰り広げられるのは、男性の中の(というよりもあえて私は人間の、と言いたいが)多面性、二面性を暗号のようなセリフと演出でみせる密室劇。

老いた作家のマイケル・ケインと、美しい悪魔のようなジュード・ロウ、ふたりによる深くて痛い摩訶不思議な物語。


憎しみと愛、一見それらは相反する感情に思えるが、実はとても似ている。
それを認めるか認めないか、気付くか気付かないかで、私たちの人生は随分と違ってくると思う。
ただしそれが幸せなことなのか、私にはわからない。
なぜならそこに気付いた瞬間から、未来のない、まるで無間地獄のような苦しみを抱えることにもなると思う。
様々な感情を理解する、心の痛みを理解できる、という意味では確かにより深く人生を生きられるのだろうけど。


老作家は若く美しい妻を、若く美しい男に奪われる。
最初は憎しみと嫉妬で彼を見ていたに違いない作家だが、知的で傲慢であるからこそ、その気持ちは次第に

「彼がほしい」
「彼になりたい」

という気持ちに変わっていったのではないか。
作家が若い男に見せびらかす虚飾の城は、美しくて豪華であればあるほど空しい。
スタイリッシュな城の中に住まうのは、どんなに虚飾を尽くしても諍うことのない老いにまみれた作家だから。

奪え・・・とそそのかした宝石も、作家の首にまかれた途端、輝きを失ったかのように見える。

檻のような狭いエレベーターに横たわるジュードは、作家が得たひとつの美しいオブジェだが、そこに永遠はない。
しかし、自分の分身のような、過去の自分のような若さと美しさを壊したことで、作家の中だけに彼を閉じ込めたのではないだろうか。
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