忍者ブログ

45style book Get real

広くて浅い頭で素直に頑張ります。
RECENT ENTRY RECENT COMMENT
[09/24 your eyes only]
[09/24 your eyes only]
[07/24 only your eyes]
[06/13 harupy-15]
[06/07 岡山のTOM]

11.25.16:43

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • 11/25/16:43

12.17.17:09

闇の子どもたち~映画~

原作を読んだので、映画はただの作品として観ることができました。
今回はそれが良かったと思います。
もし映画だけを観たら、監督が意図すること、作者が伝えたいこと、がぼやけるような。
この作品をただの問題提起、もしくはこんな現実もあるかもよ、ぐらいのフィクション、ただの映画として観て、その先に何も考えないなら原作は読まなくてもいいかな。
でも、これは映画観たあとでもいいから、是非小説の方も読んでほしいです。
そうでなければ、映画の中で何がどう描いてあるのか判らないと思います。

大手新聞社の記者・南部。
ボランティアの音羽。
ふたりは臓器移植と幼児売買、別々の問題に取り組みながらひとつの売春宿にたどりつく。

ふたりのアプローチの仕方は違う。
記者は事実を公にすることで犯罪を抑止しようとし、ボランティアは実力行使で目の前の犯罪を防ごうとする。
しかし、立ちはだかる問題は根深く、氷山の一角どころか火事場にジョウロで水をかけるぐらいにしかならない。
それでもいいから目の前のひとりの子供を救おうとするボランティアの姿に、私たちは一抹の希望を見出さないといけないのでしょう。

出演者たちはそれぞれが現実の色んな立場、としてのさりげないスタンスを守っている雰囲気。
だれが抜きん出て、というのはありません。
主人公は「貧困のために子供を売る現実」なんだと思います。

それと、主題歌の扱い、センスなさすぎ・・・・
あれは致命的だと(~~;)

ひとりで作る小説と違い、映画は協働作業です。
色んなところに配慮しなければならない、それでも自分の思いは伝えたい、この作品にはそんな監督のジレンマをすごく感じました。
とにかく色んな場所、関わる人たち、気持ち、全てへの配慮がとっっっても難しかったんだと思います。
だから一番判りやすい「幼児性愛は悪」だということにしたような・・・そんな気がします。

また、色んなところから聞こえてくる「演出が変」だ、という部分。
ボランティアの宮崎あおいが初対面のボランティアや子どもたちと手をつないだり、肩をもんだり、または救い出した子どもの唇にキスをする場面。
性的虐待を受けて育った子どもは身体的な接触を嫌う反面、「愛されている」ことを身体的な接触で計る場合がある、ということです。
なのでその部分に関しての演出には間違いはないと私は思います。

ただ残念だったのは、ラストシーン。
坂本監督は幼児性愛と同性愛を同じフィールドで考えているように思えました。
幼児性愛は性的嗜好であり、同性愛は性的指向。
これは大きな違いです。
yam.jpg









PR

12.17.16:41

実録・連合赤軍 - あさま山荘への道程~映画~

何かを行うときの原動力は怒りや呪い(大きな意味で世の中や何かに対してなど)、のような負の感情ではいけない。
ましてやグループの上に立つ者なら絶対にいけない。
どこか冷静になれないし、広い視野で周りを見られないし、目標に対するビジョンが曖昧になるし、その過程で感情に流されたり、いきなり方向転換したり、上に立ってグループを導いていくだけの度量に欠ける。
そういう人に限って自己顕示欲がすごく強かったり、肩書きに弱かったり、とにかく愚かで弱い人間だから何事にも浅はかだ。

結局はそんな男女ふたりに引きずられてマインドコントロールされてしまった若者たち。
彼らのあれだけの情熱を、別の表し方にできていれば日本ももっと良く変わったのかもしれない。
あれでは大掛かりなままごとでしかない。
オウム真理教でもあんなことが行われていたのでしょう。

自身の顔を殴打し、失意と絶望のうちに亡くなった遠山美枝子。
彼女の生と死はあの活動について象徴的で、始めの学生運動自体がもしかしたらクラブ活動のノリで、それが次第に周りと一緒に盛り上がって全国的な集団催眠のようになってしまった。
永田洋子に「なぜここにいるのか?」と問われ、通り一遍の答えしか口に出せなかったように、彼女の中に明確な目標なんてなかった。

坂井真紀、すごかったです。
恐かった。
永田洋子よりある意味恐かった。
永田はただの愚か者だけど、坂井真紀の演技はリアルだもの。
柱にしばられ、トイレにも行けず、精神を病んでいく遠山美枝子を遠巻きに見ている彼ら、の図、あそこがいっっっっっっっっっちばんキツかったです。

3時間があっと言う間でしたが、あまりにも彼らが甘くて愚かで弱すぎて、見ていてイライラするし、疲れました。
けど確かにあれを退屈させずに見せる技量はスゴイ!
映画館で観ないと後悔する作品だと思います。
red_3.jpg






12.17.16:20

うた魂♪~映画~

どうしてこんなベタベタ映画にこんなに泣かされるんだ!ってぐらい感動してしまいました。
ゴリの「真剣10代、合唱なめんなー!」
ってセリフにも。
それに、夏帆ちゃん、やはりこの子いいですね。

前半、こんな映画を贔屓の合唱部が演奏するから、ってだけで薦めてしまって申し訳ない・・・・と後悔しきりだったです。
「スゥイング・ガールズ」みたいだった。
あまりに笑いの取り方がくだらないし、主人公にも腹がたつし。
ただ薬師丸ひろ子だけはいい味だしてて、この人だけだー、観るべきものは、って思ってました。

前半では合唱やってる人に対してのすごく正直な気持ち(歌ってる顔が変とか、なんで難しい曲ばかり歌うのかとか)がぽんぽん出てくるし、これはキツイなぁ~・・・なんてドキドキもしたのです。

が!そのうんざり感が後半に生きてくるのです!
これは観てもらわないと判らないトコですが、観終わってみると、作りが上手だったと思わずにはいられません。
ゴリのセリフひとつであんなに感激させられるなんてー!
帰ってすぐに「15の夜」と「OH MY LITTLE GIRL」着メロにダウンロードしました・・・・・

一生懸命っていいじゃん!
それでどんなに回りが引いても、ひとりぼっちになっても、格好悪くても、いいじゃん!
一生懸命になれるものがあるだけ、絶対にいいじゃん!

まったくそう画面の向こうから言われて、嬉しくてたまらなくなるのです。
そして、主人公がそのことに気付いて、回りを巻き込んでいく、そんな姿が素直に感動を呼ぶ作品でした。
すごく作りが単純なんです。
大袈裟なくらいの起承転結で。

薬師丸ひろ子はずっと良かったし、それにいじわるする岩田さゆり、この子が良かった。
あと、間寛平!この人が意外に大丈夫でした!

頑張ってる人は是非、観てほしいです。

utatauma.jpg










12.17.13:19

マル秘 色情めす市場~映画~

『女は二種類、それを知ってる女・知らない女』というコピーがなんかの作品にありました。
例えばこの作品を当てはめると、私にどんな言葉が浮かぶか?というと「愛」「恥」「性」「生」「死」。

主人公とめ(芹明香)は自身が生きるために体を売っていて、そのことに対して何の疑問も羞恥もない。
ある意味すごく潔いし、誰にも媚びずに生きているので格好良い。
しかし彼女の母親(花柳幻舟)は対極にある。
男に貢ぐために体を売り、その男は娘にも手を出すような下衆で、しかしそんな男じゃないと相手にされないからどんなに年増とバカにされようとも体を売る。
世の中の全てに媚びながら生きているのに、そのことを知りながら開き直ってる姿が気持ち悪い。

ふたりとも愛を知らない女だが、片方は恥を知り、片方は知らない。
主人公は母親を見ていたから恥を知っている。

そこに新しい女が現われる。
宮下順子。
彼女は性しか知らない女だ。
純粋にセックスに溺れることのできる女、それもある意味潔い。
バカな男に貢ぐために体を売り始めたけれど、その男よりも段階の上の男にさっさと乗り換えることができる。
バカな男はバカなりに恥を知っていたから最後の抵抗をする。
恋愛のもつれなら、あのような最後、女冥利につきると思う。

母親がトメの目の前で流産したとき、恥を知っているトメは自分が生まれたこと自体が恥であった、と悟ったのだと思う。
だから近親相姦の関係にありながらも決して挿入まではさせてなかった弟と結ばれたのかもしれない。
自分を人間の「女」ではなく動物の「めす」にすることで、その恥を受け入れようとしたのかもしれない。

その弟はもしかしたら弱い頭で恥を知っていた。
だから死んだ。

自分の「めす」の部分を失ったトメは生きる。
きっと今まで以上にたくましく、そして今度は明るく。
ラスト、スカートをひらひらさせながら男の横でくるくる回ってみせた彼女は本当に頼もしく見えた。



とにかく、面白いといえば面白い。
もう一度観たいとも、誰かにすすめようとも思いませんが、一度経験しておいて損はなかったです。
宮下順子はホントにいやらしいですねぇ♪
他の人のシーンは気持ち悪くても、彼女のシーンはやらしかった。
宮下順子はいい♪

mesu.jpg











12.16.21:33

観察~映画~

田辺・弁慶映画祭で第一回審査員特別賞を受賞した作品。
といっても、主演が緒川たまきでなければきっと観なかった。


子どもの頃、丘の上の家に住む女の子を望遠鏡で見ていた茂樹。
引っ越すことになり、「君をずっと見ていたかった」と手紙を送る。
茂樹から見られていることを知っていた弥生。
家庭で孤独だった少女の唯一のよりどころは、茂樹の望遠鏡に反射する光だった。

40年のあいだ、ずっと見ていた男と見られていた女。
というと、気持ち悪いですね。
が、不思議なことに全然気持ち悪くない。
むしろ、男の気持ちも女の気持ちも判ってしまう・・・あー、そんなこと言うと私も変だと思われる、、、まぁいいか。

古い映画で「フォロー・ミー」という作品を観たことがあるのですが、これもずいぶん変わった作品で、好きな人との距離感・そこにその人がいて何を思い何を感じるかなぞっていく話なのですが、そんな感じ。
ほとんどストーキングなんだけど、付いてこられてる相手がそれをイヤだと感じるのではなく、させてる。
それもふたりの愛情を育てるために。

「観察」の場合はふたりは子どもの頃、たった一度だけ同じ空間を共有する。
その後、ふたりの時間が触れ合うことは無いに等しい。
大人になって一度、ふたりの時間が微かに重なるが、そのふたりの切ないこと・・・・

緒川たまき、こんな演技もできるようになったんだなぁ。
上手でたまらんとは言わないけど、良かった。
相手役の小沢和義、初めて観たけどセクシーな人だった。

掘り出しものです。

avant_005.jpg