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  • 04/27/10:05

10.06.14:52

YearBook



大好きだった人の誕生日。
10月になったので毎年のようにYear Book とカレンダーを買った。
春までは美術館のすみにあったミュージアムショップで選ぶのを楽しみにしていたのに、
あの年上の美しい人はあそこにはもういない。


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09.17.00:01

裏切りのサーカス ~映画~

宮崎映画祭で何本か観たあと、2か月映画館に行くこともなく、山の中やら神社やら福岡やらパソコンの前やら・・・何やらやっておった。あ!京都にも行きましたで。鴨川の景色やら大文字焼きやら八坂神社やら平安神宮やら狂言やら見ましたで。
ああ、、、来月の携帯通話料がめちゃめちゃ怖い。
tinker.jpg
2か月ぶりの映画は「裏切りのサーカス」。
スパイもの、二重スパイもの、と聞くと私は小林麻美の「哀しみのスパイ」を思い出す。
モスクワから「ラフマニノフ」と電報を打つアレである。
「私を知らない」と言ってもらい、「あなたを知らない」と言って冷たくそらした瞳が悲しいアレである。
で、やはりというか、さすが麻美さまというか、ジョン・ル・カレは「哀しみのスパイ」を聴いていたんじゃ?と疑ってしまうほどリンクしてた。
でも調べてみたら「哀しみのスパイ」の方が後。
歌詞作ったユーミンは、読んでいたんじゃないだろうか。
でもPVの色合いは似ている。
トーマス・アルフレッドソン監督は、実は麻美さまのファンだったかもしれない(それはないと思うが)。

宮崎でも上映が終わったので、個人的にこっちでネタバレする。

ダークな色調の画面に登場する男男男・・・・
彼らは諜報機関に所属し、国益のための頭脳戦を繰り広げる。

国益のため。

そこが一番重要なのである。
出世とか名誉とか、個人の利益を絡めてしまうとこの作品は普通になってしまう。
二重スパイとして疑われていたスマイリー(ベガマン)と、ヘイドン(テイラー)の違いはそこにある。
冷徹なまでに国益に徹し自分の持つ全てを駒として動かし、結果、組織の長に昇り詰めるスマイリー。
魅力的な容姿を持ちスマートに仕事をこなしてきたように見えるヘイドンは、自分に対する自信が仇になる。
tinker2.jpg
伏龍はじっと池の底に身をひそめ、一気に天に昇る機会を待つ。
地味に仕事をこなし、同僚に妻を寝とられ、二重スパイあぶり出し作戦失敗の責任をとって引退を余儀なくされるスマイリーは、まさに伏龍である。
ひたすら国益のため、妻ですら密かに駒として使う。
決して誰にも悟られず。
そのために二重スパイの疑いもかけられるが、彼こそが誰よりも国に忠誠心を持ち、国益に殉じようとしている人物なのである。

外交とは、欲しくてたまらないものを、あげても良いものと折り合いをつけて交換することだと友人が言った。
スマイリーは諜報機関の中の優秀な「外交官」で、KGBの大物カーラも同じ。
「外交官」は交渉の意義を理解し、スマートに仲立ちをするのが役目。
馬鹿にはできない。
スマイリーの冷徹ぶりは気持ちよいほどである。

ゲイテイストも満載でドキドキさせてもらった。
コリン・ファースは相変わらず格好良い。
スマイリーの部下を演じたベネディクト・カンバーバッチも格好良かった。
ヘイドンを愛しながら暗殺するプリドーのマーク・ストロングの切ない瞳もセクシーだった。

ということでスマイリーのような人物が、今、日本にいたら上手い具合に中国とも交渉できるんじゃないだろうか。

07.16.22:19

ヘルタースケルター ~映画~

f513b047.jpeg沢尻エリカが出演した作品は「パッチギ!」しか観ていない。
可愛い子だなという印象しかなかったけれど、私の中で彼女が色付きで見えるようになったのは「クローズド・ノート」の仏頂面からだった。
あの映画も観てはいない。

あの仏頂面は、自分が主演したとはいえ沢尻エリカとしても「つまらん」映画だと思っていたからか?
自分が納得できていない作品を、仕事だからとニコニコして薦めることができない人なのかなと。
それは私が勝手に思っていたこと。
ホントのところは知らない。

「ヘルタースケルター」は、「考えなしの一般大衆にたった一人で立ち向かう傀儡(くぐつ)」という内容。
沢尻エリカが演じるにふさわしい作品だと思う。
くぐつ、操り人形のこと。
彼女はそれを演じようと頑張っていた。
ただ、演出なのか編集なのか、それとも十分に撮影がされていなかったのか、叫んで泣いて怒りをぶつけ、男や女と身体を絡め、そして写真の撮影、、、というパターンばかりが流れていき、主人公の心の深みを感じる事のない作品になっていた。
蜷川実花監督が撮ったPVという印象。

水原希子は、自分を傷つけようと近づくりりこのマネージャーに、たったひと言「いいよ」と言って睨む表情だけで私の気持ちを持って行ってくれたのに、健気に頑張っていた沢尻エリカがあれではもったいなさすぎる。

こずえ(水原希子)は、生まれながらに美しい。
なろうと思ってモデルになったわけでもなし、でも、その体型を維持するために食べたものを吐くという努力は普通にやっている。
それはりりこ(沢尻エリカ)も同じ。
彼女は全身整形。 
造られた美を維持するための努力(メンテナンス)はこずえより多いし、精神的なストレスも随分ある。
全身整形で美と地位を手にする、それを幸せとすることを自ら望み、選んだ。
だから努力もストレスも、そんなものは普通。
たまにマネージャーをいじめて発散するが。
ストレス発散。
マネージャーに、自分の恋人の婚約者に硫酸をかけさせたことも、嫉妬というよりもストレス発散。
「努力」なしに幸せをつかもうとしている者に対しての、暗い復讐。

その復讐は、こずえにも向けられる。
でも、こずえは持って生まれた美しさを使い仕事をしている分、りりこよりも周りを冷静に見る力が備わっていた。
「自分たちは一般大衆の欲望処理装置」
「今はちやほやされていても、そのうち顔も名前も忘れられる存在」だから、自分の地位に執着しない。
復讐は失敗する。

大衆が「見たいと思うものを見せる」存在としての自分、
しょせんは操り人形だった自分の、ひとりの女性として精一杯の強がり。
そして、まがい物としてこれから生きていく決意。
それがあのラスト。

沢尻エリカ、綺麗だった。
天使にも悪魔にもなる表情が、とてもキレイだと思った。
だからもったいない。
編集と音楽でスタイリッシュになっているが、それが物語を深くすることを邪魔してる。
あえて観客が考えなくてすむように作っているのか、監督が物語に気付いていないのか、多分前者じゃないだろうか。
売り手の心の声、言葉を借りれば、「一般大衆は、バカだから」。

彼女がのびのびと仕事できると良いのにと思う。
女優なんだから性格は良くなくていい。
誰よりも綺麗で、そして誰よりも演じることが出来さえすれば良い。

戸川純の「蛹化の女」が流れた。
嬉しかった・・・
 

06.24.01:13

この人を好きになって良かった




「ドキッ!」なんてタイトルはいったい何や?!と思っていた今年の平原綾香ライブツアー。
これがまた良かったのなんのって。
見ながら聴きながら、その音のひとつひとつに気を抜かない彼女に感動し、そして完璧な音づくりに感動し、彼女のパフォーマンスに感動し、ああ・・・・・私はこの人を好きになってよかったと涙を流すのでした。
素晴らしい!
目の前から彼女がいなくなって、私は「ローマの休日」のグレゴリー・ペックのように振り返るのであった。
来年またステージの綾香ぽんに会いたい。

06.19.20:47

電話ボックス

 堤防沿いの道を北に走る。鶴ノ島、和知川原・・・M商業高校の体育館が見えてくる。あの角を右に曲がる。高校の裏門からは古い校舎が見える。私が高校2年生。あの校舎の2階の教室で学んだ。崩れそうなほど古い鉄筋の校舎。そういえば、あのT字路の角には電話ボックスがあった。授業中に抜け出して、あそこから電話をかけたことがある。友人が駅で自転車を盗んで乗っていた。盗難届が出されていたそれが、たまたま私立の男子校に通う別の同級生の自転車だった。友人のために、「あれは貸したやつだ」と警察に話してほしいと、彼にお願いするためだった。

 もう、ないかも、あの電話ボックス。。。 あった。 
 
 友人とふたりでクラスの子たちから小銭を集めて電話をかける高校生の私が見えるようだ。先生に見つからないように、誰からも告げ口されませんように、彼女のことを助けることができますようにと緊張しながら、でもどこかわくわくしながら。あの電話ボックスは、電話機の形はあの頃よりも新しくなっていたが、変わらずにあの場所にあった。ただそれだけで、私はとても清々しい気持ちになった。
 
 清々しい気持ちのまま、私は卒業したあとに一度だけ、友人とあの古い校舎の隣にある通称・中校舎と呼ばれる2階建ての小さな校舎(教室が4つだけの)に忍び込んだことを思い出した。
夜、ドライブの途中に裏門が開いているのを見た私たちは、1年生のときの教室に入ってみようと思い立った。裏門が開いているのだから、きっとどの窓かが施錠されずに開いているに違いないと確信していた。「M商だもの、絶対にきちんとしてるはずないよ」。
 
 案の定、1階の窓が開いていた。それは私たちが1年生の時に過ごしたクラス。女の子ばかりの1-7。電気などつけなくても、私たちには部屋の中が見えた。こげ茶の板張りの床、黒板、壁のキズ。床ワックスの匂い、机につっぷした頬の冷たさ、壁に触れた指の感触。窓から見える景色、差しこむ光、クラスメイトたちの顔、声。夜の暗い教室で私たちは二人きりだけど二人だけじゃなかった。15歳や16歳の少女たちが変わらずにそこにいた。「ここに住みたい」「このまま帰る?」「ううん、何か書いて帰る」「なんて?」「あなたが好きです、って」「あーあ・・・もう」

 
 次の日、私は職場の朝の3分間スピーチで、昨夜の話しをした。友だちと母校へ行き、1年間過ごした教室に行ってみたこと。電気をつけなくても中の様子が手に取るようにわかり、大好きだった場所が何も変わっていないということが、自分でも驚いてしまうほど嬉しかったこと。そしてちょっぴりいたづらして帰ったこと。きっと今ごろ、あの机の子が突然の誰かの告白にドキドキしているかもしれないこと、そのことを思うと申し訳ない気持ちになるけれど、でも「あなた(ここ)が好きです」という私の気持ちはウソではないこと。また行きたいし、今朝は清々しい気持ちでここに立っていること。
 
 私が話し終えたあとに社長が感想を言った。「夕べとても楽しかったのはよくわかるが、お前がやったことは公共物不法侵入だぞ。もうするな」。
 
 変わらずあの場所にあった電話ボックスが私にくれた時間旅行は、そこでおしまい。
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