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  • 08/27/03:48

03.12.11:43

永遠の野原

summar.jpgお世話になっているLadyが貸してくれた『サマーストーリー』を観ながら、ああ・・・恋に落ちるとき、ってこうよね・・・と自然に顔がほころんだ。

「なぜあの人を好きになったの?」
恋してる人へその質問があまりに愚かしいことを、本当に恋したことがあればわかる。
ただし「あんなヤツのどこがいいんだ!私の方がよっぽどいいじゃん!」と愚痴るのは許す。
私はしょっちゅう言ってる。


舞台はイギリス。
ひとりの青年弁護士が旅の途中で出会った少女。
緑が美しい田舎の景色の中、カモシカのように黒く純粋な瞳をした少女がいた。
洗練された都会暮らしの青年には、きっと美しい風景の一部のように見えたにちがいない。
野性児のように長くおろした豊かな髪も、青年に向ける恥じらいのある瞳も、そして何よりもまっすぐに好きだと伝わる微笑みも。
青年と少女は一目で恋におちる。
理由などない。
恋に巡り合うなどそうそうありはしない、「する」のではなく「落ちる」のだから、恋はいつだって一目ぼれだ。

ふたりは束の間激しく愛し合う。
干し草の上で、野原で、川で、大きく葉を広げる木の下で。
私たちは、彼らの恋に幸せな未来がないことを知っている。
現在でも階級制度のあるイギリス、100年前が舞台の物語でロンドンに住む弁護士と農家の少女が結ばれるはずがない。
ふたりは駆け落ちの約束をし、青年は少女を迎えに来るから、と村をあとにする。

約束の日、いくら待っても来ない彼を探しに海辺の避暑地を訪ねる少女。
砂浜で自分と同じ上流階級の娘と語らっていた青年は、野暮な服を着て、ズロースのまま波間に足をつけている少女を見つける。
彼は声をかけられず少女のあとをつけていく。
彼女に感じていた気持ちに偽りはない。
約束の場所に行けなかったのも、お金を下ろせずに汽車に乗り遅れたから。
ただ彼もまだ幼く、誰かを本当に愛するということに気づいていなかった。
だから「身分違いじゃないか?」という友人の言葉に揺れた。

振り向いた彼女に一瞬、青年の姿が見える。
しかし通りかかった大きな鏡に遮られ、彼の姿を見失う。
青年の姿は幻であったかのように消えている・・・


summar1.jpg海辺で少女を見つけた彼の気持ち、上流階級の人々が背筋を伸ばして歩く舗道を心細げにさまよう少女、青年が田園の風景で見ていた彼女の幻影が堕ちる瞬間だ。
彼はその後友人の妹と結婚する。
しかし、いつだって胸の中でまぶしく思うのは、野原で洗濯物を干す少女の笑顔だった。

心の中はわかりすぎるほどわかっているのに、本当に欲しいのは誰か、わかっているのに誰もが冷静に現実を受け入れて生きる。
そして後悔とともに恋したあの人の笑顔だけがいつまでも胸を熱くする。


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02.22.11:29

チェンジリング ~映画~

changeling.jpg昨夜は素敵なGirlFriendとデートで深夜興奮しながら帰宅して、そのままの勢いで映画ブログ書いちゃえ!とも思ったけれど、そうなると朝まで眠られなくなりそうだった。
それは夜中1時すぎると使えなくなるMCカードのせい、だけではない。←別に意味はない。

~ネタバレじゃないけどラストの重要なセリフが入ってます。~

配給会社のロゴが登場するところから既に「イーストウッド作品」。
同じ音楽が流れるままタイトルに移行していくのだけれど、その流れがおとなで素敵。
hiroさんは「ミリオンダラー・ベイビー」みたい、と書いていた音楽だけど、そりゃそうよ、同じイーストウッドが作曲してるんだから。

ここ最近、アンジーはシリアスものに力を入れている。
イーストウッドがアンジェリーナ・ジョリーで作品撮ってる、内容は子供を誘拐された母親の話だ、とネットニュースを読んで、「アンジー、アカデミー欲しいのかなぁ、でも中身がピンとこないなぁ」とちょっと残念にも感じたけれど、これなら文句はないです。
それまでの無理してる感、を感じなかった。
クリントさんの演出が上手なのか、重苦しい雰囲気にも関わらずアンジーがとてもリラックスして演技してるようにみえた。

angie3.jpg朝起きたときに、あれだけのお化粧していたらお肌に悪いわよ!
その髪型維持する寝方を教えて!
と、つっこみ入れたくても、彼女は素敵。
ボディコントロールのきれいな女性、はどうしたって美しい。
「立つ」「歩く」「座る」姿には無意識に「自分自身を律しているか」が出ると思うので、私にはポイント高いところ。
好き好き♪アンジー。

と、アンジーメインで感想してしまったけれど、冒頭の配給会社のロゴから、エンドロールまでを一気に、緊張感を持続したまま観ました。
もちろん、観てる間に「これはイーストウッド作品だし」など考えられません。
この作品のラストには「希望」という言葉が出てくるのですが、それがあまりにも哀れで悲しくて、私は泣きました。
死ぬまで生き地獄を生きた、あの母親があまりにも可哀想で泣きました。

angie2.jpg母親にとって子供から「ママに会いたかった」と言われるほど嬉しい、切ないことはありません。
明日、ああ、もしかすると明日、そう思っているあの子が帰ってくるかもしれない。
この道を、あの街路樹を越えると、あの子が待っているかもしれない。
私のことを覚えているかしら、私はあの子がわかるかしら。
手紙は、電話は、あの子の便りを届けてくれるかしら。

帰らないわが子を、わずかな希望で待ち続ける、そんな無間地獄。

いつも思うけどイーストウッド、あんた、ほんとは女に何か持ってるでしょ?



PS.映画好きのダンディ(想像では)の日記に最後の路面電車の話がでていたので追記です。
ラスト、アンジーの颯爽とした後姿、すれ違う路面電車・・・というシーンはとても印象的で、私は『欲望という名の電車』を思い出しました。
「『欲望』という名の電車にのり、『墓場』で乗り換え6つ目の『天国(極楽)』に降りたつ」
byテネシー・ウィリアムズ
で、アンジーは彼の戯曲が大好きでタトゥーにも彫ってる言葉が
「A prayer for the wild at heartkept in cages」

02.20.16:21

ヤング@ハート ~映画~

2月に入って何度、音楽の力に心を動かされたことでしょう。
友人のコーラスであったり、プロの歌声であったり、子供のために作った、歌った歌であったり。
不思議なことにそれら全ての曲に共通する言葉が『祝福』なのでした。
「人はみな祝福され生まれた」
この意味に胸を熱くできることに感謝します。

young.jpg平均年齢80歳のおじいちゃん、おばあちゃんたちのコーラス・グループ。
レパートリーはロック、R&B、なんでもござれ。
指導してるボブから渡される楽譜は玉手箱のよう、メンバーたちはCDから流れてくる新曲を「耳が痛いいっ!」と顔をしかめながら聴いています。
歌詞を間違えながらもJBの『I feel good』をノリノリの直立不動で歌うのです。
なんと素敵なのでしょう!

全部良いのですが中でも秀逸だったのは酸素吸入しながら歌うフレッドの『fix you』。
泣けた泣けた。

いつお迎えがくるかしらー♪
お迎えの光は見ないようにしてるわー♪
そんな彼らが、クラシックやオペラが好き!と言いながらもみんなで歌うロックの輝きは虹のようです。

本当にお空の虹の上に座って、みんなを見守ることになるメンバーたちもいます。
彼らひとりひとりの人生の輝きや、失った人生への尊敬、そして純粋に音楽を楽しむ気持ち、それらはとても神々しい光でした。
大袈裟ではなく、生まれてきて、生きていて、それだけでなんと素晴らしい!と素直に感じられました。

02.18.22:56

アラトリステ~映画~

alatoriste1.jpgヴィゴ・モーテンセン主演。
まず、ヴィゴが文句なく格好良い。
そしてシーンごとの構図が美しい。
演出が芝居じみていて、やたらとキマる。
決闘に向かうアラトリステがマントを翻し、帽子を脱ぎ棄てる場面の格好良さ。
アラトリステの愛人マリアが石段を下りていく場面の美しさ。


しかし、エピソードとエピソードがぶつぶつ切れて、とても退屈。
編集がヘタだなぁーと感じていたが、この作品は連載小説のような物語で、まだお話は続いているそうだ。
なるほど・・・・ひとりの男の冒険譚だったわけだ。
だからあんなにアラトリステは不死身だったんだ。
正義の味方だったわけだ。
他の人は銃一発で死んでいくのに、彼は胸に銃弾うけても生きている。
お腹を剣でつかれても生きている。
絶対死なないトム・クルーズのようだった。

alatoriste.jpg無駄に長いヴィゴ・モーテンセンのPVを観ているよう。
ヴィゴは素敵でした。
でもかなりの時間寝てしまった。。。
もしや私が眠らずに最後まで観ていたなら面白かったのかも。






02.17.23:32

『81/2』に見る夢の女

821a.jpgフェリーニの『81/2』を観た。
クラウディア・カルディナーレのコートから伸びる足の美しいこと・・・・
アヌーク・エーメのなんと知的で上品な表情・・・

この二人ならば男性ならずとも妻にして、そして恋人として置いておきたい。
まさに夢。
フェリーニの作品には必ずといってよいほど道化が登場する。
人生は奇妙なサーカス、普段の悲哀や苦しみをストレートに表現することがどこか照れてしまうような、そこは私だけの感じ方かもしれないけれど、フェリーニはどこか可愛い。
セリフにもあった「人生は祭りだ」と。

アヌーク・エーメが知的なショートの髪型なのに、あえて(考えすぎかもしれないけれど)少し野暮ったいスカート姿なのが気になった。
専業主婦だから、ということなのだろうか。
マルチェロ・マストロヤンニのハーレムに登場する彼女は、かいがいしい「理想の妻」。
大勢の愛人たちと一緒に住み、世話を一手に引き受け、彼のことも子どもを扱うよう。
あのシーンは、正直すぎて悲しい気持ちになった。
だって女性からは馬鹿にされること、請け合いだもの・・・

ferini.jpgラストの大団円、パレードする道化、どうしてだか涙が出た。
夢の世界でしかあの幸福を、お互い手をとって笑いあう幸福を感じることができないのか、と。

正直に暮らすことの滑稽さ、何もかもを手にすることの難しさ、そう・・・やはり人生は奇妙なサーカス。
フェリーニは可愛い。

keizi.jpgちなみにクラウディア・カルディナーレといえば「刑事」。
あのラストで愛する男を乗せたパトカー(だったか?)を追いかけるシーンは子供心に強烈に残っている。
アモーレ、アモーレ、アモーレー、アモレミーヨー♪
というテーマソングも覚えている・・・・哀愁漂うわー。


女優冥利につきる役だねぇ。