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  • 05/19/04:10

02.21.08:44

若松孝二監督

ベルリン国際映画祭で寺島しのぶが最優秀女優賞を受賞。
おめでとうございます。

若松孝二監督の「キャタピラー」。
江戸川乱歩の「芋虫」を思わせます。
公式サイト。
http://www.wakamatsukoji.org/top.html

3時間をあっという間に見せた「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」。
狂っていく坂井真紀が誰よりも怖かったことを思い出します。
http://45style.blog.shinobi.jp/Entry/21/
このときには、まだこの程度しか感じることができなかった私。
もう一度観てみたいです。

改めて若松監督の作品を検索してみると、またこれが面白すぎる。
たしか、S会長かK教授が興奮して話していたような気がする。
ATGとかロマンポルノのこてこてしてた力に溢れる邦画の匂いがする。
決して儲からないが、主張に溢れた。
スチールを観ただけでもミヒャエル・ハネケとかミケランジェロ・アントニオーニ(観たことないけど)とか、スタンリー・キューブリックとか、なんかそんな感じ、どんな感じだ!
jitsuroku.jpg








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01.26.09:33

透光の樹 ~映画~

tokonoki.jpgどうして今頃?な作品だが、お正月明けの恒例になった映画サークル「シネマ1987」ベストテン集計合宿時の、『オールナイトで名迷ピン作観よう会(仮)』上映候補になった。
残念ながら上映会で観ることができなかったので、秋吉久美子をこよなく愛するhiro氏からDVDを拝借、夕べ観たのですが、一晩たっても気持ちにじわじわきてます!

金沢の有名な刀鍛冶で、今は寝たきりになってしまった父親と、12歳の娘と暮らす千桐(秋吉久美子)。
夫(平田満)とは離婚し、知り合いの料亭で仲居をしながら生活している。
そこに、以前父親を取材したことのある映像会社社長・今井郷(永島敏行)が現れ、あなたの体が目当てだがどうだろう?と、生活の資金援助を申し出る。

千桐がお金を受け取り、初めて郷に抱かれるまでの二人の抑揚の無い話しぶり、だとか、その後ふたりの関係を続けていきたいのに上手に伝えられず突拍子のないことをしでかしたり、付き合っているふたりがまるで中学生かのようにお互いの名前を壁に刻んでみたり、などという場面を20年前に観たなら「気持ち悪い」と、私はきっと思っただろう。
ところが、そんな場面をスンナリ受け入れてしまい、自分でも驚いた。

先日は「あの日、欲望の大地で」を観た。
母親が夫以外の恋人との逢引中に亡くなり、心に救いようのない傷を負った娘の話だ。
共通するのはどちらも女の性(さが)が描かれている、ということ。
だが、「あの日~」の母親(キム・ベイシンガー)にはまるで共感できなかった。
その違いは、それぞれの女(母親)の持っている信念・潔さ、だろう。

tokonoki1.jpg特典映像で、秋吉久美子と原作者の高樹のぶ子氏が対談していたが、その中で高樹氏が語っていたとおり、千桐には潔さがある。
妻のある男性をお金で恋人にしておきながら!娘もいるのに!
などとは言わないでほしい。
潔さとは、決して人の道を外れないとか、そういうことだけではないと思う。
大人として守るべき部分を守る、ということだろうか。

千桐も見かけはなよなよしていて危なっかしいし、娘に父親をお願いして(親戚に、かもしれんけど)恋人に会いに出掛けたりする。
それでも、娘に対する一線は、常に持っているように見えた。
その上で、体の中に残っていた性の部分を郷との逢瀬で開花させ、またそのことが、今後の彼女の生きる力、になる。

ラストの年老いた千桐と、彼女を見つめて恨みごとをひとり、つぶやく娘だが、その娘の気持ちも痛いほどよくわかる。
それでも、いつか、娘も千桐の思いを理解する時が来るかもしれない。
その時は、「母は幸せだったのだな」と、泣けるほどの幸せを、きっと娘も感じながら。

真面目に書いたぜ!

秋吉久美子の全裸、それも正面からの全裸はきれいだった。
子どもを産んだ中年の女の、いい感じでー。


01.09.17:08

寅まつり

虎年にちなみ、劇場で4本寅さんシリーズが上映。
「男はつらいよ」「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」「男はつらいよ 噂の寅次郎」「男はつらいよ 寅次郎の青春」
寅さんシリーズは新しくなるにつれ面白くないので、宮崎ロケの「寅次郎の青春」はスルーしたが、残りの3本、これは劇場側のチョイスにお見事でした!と言ってしまおう・・・・それとも、寅さんを劇場でちゃんと観ていなかった私が、ビデオやテレビ以外で初めてしっかり観たから気付いたこと?
ストーリーの流れがパターン化されているのはそのままでも、3本それぞれの雰囲気が違う。
改めて劇場で観て、その点には驚いた。

torasan2.jpg「男はつらいよ」
劇場版第一作目。
倍賞千恵子がめちゃめちゃ可愛い!
マドンナは光本幸子。
緒川たまきを少しシャープにしたような顔、初めて知った女優さんでしたが、綺麗だった・・・・。
それも御前様の娘とは!娘がいたのも知らなかったし、おまけに、写真を撮るときに「バター」と言う掛け声は、寅さんが最初だと思っていたけど、御前様だったことが判明。
集合写真を撮るときには私も必ずそう声掛けますが、たいてい「はぁ?」という顔をされるので覚悟して言いましょう。

物語は20年ぶりに葛飾柴又に帰ってきた寅さんが、妹さくらの縁談をまずはぶち壊し、裏の印刷工場で働く宏との間を図らずも取りもってしまう・・・というもの。
舎弟のノボルはこの頃から舎弟だったのですね。
ドタバタしながらも、「おれがイモ食べてお前のケツから屁は出ない」という自分の気持ちは自分だけのものだ、という寅さん語録や、宏のさくらへの愛の告白、結婚式での志村喬のスピーチなど、セリフが良い。
またラスト、遠巻きのカメラが映す寅さんとさくらの姿。
「お兄ちゃん、帰るとこないじゃないっ(「行くとこ」だったかなぁ)!」と寅さんの背中に叫ぶさくらに、少し振りむき、ちょっと手を上げて去っていく寅さんの後姿には胸がぎゅ~っとなった。
そのシーンは青さんが「シェーン・カムバーック」なんだ、と言っていたけど、確かにそう。

torasan1.jpg「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」
11作目。
マドンナは浅丘ルリ子。
でました!リリーさん。
まずは柴又に帰ってきた寅さんの、さくらがピアノ欲しい事件で、自慢気におもちゃのピアノを買ってきてタコ社長に馬鹿にされて再び出て行く、というエピソードで始まります。
ホントに初期の寅さんの笑いはテンポが良くて最高!
北海道でも行きたいなぁ・・・・と宏が寝転がっていると、寅さんはその北海道に行っている。
笑ってしまうのが、北海道の景色BGMが何故かクラシック。
綾香ぽんのお陰で私も知っていたシェヘラザード。

ドサ回りの歌手・松岡リリーはこの後、3作ほど寅さんシリーズに登場する名物マドンナなので、私は彼女と寅さんは実は大恋愛をするのかと思っていた。
が、そうではなく、彼女に対しては寅さん、親友や同志、または兄妹のようなすごく身近な感覚を持っていたのですね。
商売の途中でリリーさんに声を掛けられ、彼女を見たときの寅さんの目は、恋を予感させるものではなく、とても近い、懐かしいものを見つけた、という目。
渥美清の、この演技は拍手もの。
二人、港に立っている後ろ姿で、堅気じゃない根なし草の似た者同士、という雰囲気を綺麗に表わしている。
同じ根なし草でも、柴又という愛している故郷があり、家族がいる寅さんが、母親との縁の薄いリリーさんに同情する心情が切ない。

私が子どもの頃、隣に雀荘があり、順番待ちの時間に我が家に出入りしていた水商売の彼ら彼女らを思い出した。
可愛がってくれていたソープ嬢のカオルちゃんから香っていた石鹸や香水の匂いや、おこづかい、と言って財布から出すお札の感触。

もうひとつ、コピーが良い!

ほら、
逢ってるときは何とも思わねぇけど
別れた後で妙に思い出すひとがいますね。
そういう女でしたよ、あれは・・・・

この作品には笑いの中にも大人の雰囲気と、少し特殊な感覚があった。


浅丘ルリ子はペネロペ・クルスのよう・・・
なんなんだ、あの妖しさ、手を伸ばしてあげたくなる儚さ。
目だけギョロギョロした、ただのガリガリのオバサンだと思っていたけど、あの匂いには気付けて良かった。


torasan3.jpg「男はつらいよ 噂の寅次郎」
シリーズ22作目
マドンナは大原麗子。

まずは隣の墓参り事件から、再び旅に出た寅さんは宏の父親と旅先で偶然再会。
「今昔物語」を教えてもらい、人生の無常に感銘した寅さんは虎屋の面々に話して聞かせる。
修行だと言って再び旅に出ようとした矢先、離婚して友人宅にやっかいになっている大原麗子が、とりあえずの仕事として決めた虎屋へやってくる。
美人を見た寅さんは行くに行けなくなり、急にお腹が痛いと言いだし、そのまま居座る。

笑いどころがかなり冴えている。
しかし、奇をてらった笑いではない。
確かに自分ちの隣のお墓に気付かず参るのはありえないけれど、寅さんならありえる!と私たちが普通に受け入れてしまうところがこのシリーズの面白さ。
ワンパターンな流れの妙、寅さんというキャラクターと渥美清という俳優のなせる技が、もうひとつ、ラストの大原麗子との会話にある。

憎からず思っている男を追おうとする彼女が、寅さんに「寅さん、私ね・・・」と何か言いかける。
「おう!明日聞くからなっ、明日な!」
寅さんはそう言って、早く行けと促す。
しかし、明日はない。
振られたことに気付いた寅さんは、もう虎屋を出て行くから。

邦画の伝統がそうなのか、それとも喜劇役者がそうなのか、普通の可笑しさの中にどこか救われない寂しさが常にあって、それは働いても働いても上流にはほど遠い庶民の暮らしとか、まともな暮らしができない自由人だからとか、そんな自由人を馬鹿にしながらも憧れてしまう気持ちとか、そんな空気が流れているからだろうか。
しっかりと観よう!と思って映画館で観た3本の寅さん。
これは誇れる!



12.02.23:46

空気人形 ~映画~

ku-kiningyo1.jpg10月に用事で福岡に行き、時間もないのに折角だから!と観た是枝裕和監督の「空気人形」。
1987の映画フォーラムには書いたけれど、正直どう表現してよいのかわからず、ブログには手をつけられずにいた。
先週から宮崎でも公開になり、よせばいいのに今日、また観てきた。

表現の難しさの理由は、この作品に流れるいくつかのテーマが、あまりにプライベートな内容に触れるから。

快感(セックスもだが、日常の匂いや感触についての)

孤独
空虚感
欲望

私は、文句なくこの作品が大好きだ。
なぜなら、この作品には映画としての醍醐味が全てある(全ては言いすぎだな、美男子はいなかった)。
私が伺い知らぬ世界、魅力的な女、美しくも悲しく残酷な愛の物語、心に残る言葉・音楽・景色、そしていつまでもあとをひく感情を教えてくれること。

大きく、二つのキーワードがある。
「代わり」と「からっぽ」

誰かの代わり、何かの代わり、そんなフリ、例えば嘘。
しょせん嘘でしょ?と言われたら、違うとは言えない。
「代わり」とは何と都合のよい、言いわけだろう。
もしかすると、嘘より誰かを傷つける言葉かもしれない。
それでもいいから、と、時に恋はそれさえも許してしまう。
その弱さ、脆さ、儚さ、切なさ、人の心とは愚かなものだ。

そんな愚かな心を持ってしまった「からっぽ」の人形。
ゴム製の、性欲処理の代用品。
中身はからっぽ、空気人形。
人を愛し、人とは違う自分を恥じ、出会うさまざま人々に自分は「からっぽ」なんだと話す。
すると誰もが応える。
自分もからっぽなんだ、君と同じなんだ、と。
心の空虚感はどちらも同じ。
寂しさも同じ。
からっぽの空気人形が抱えた空虚感は、とても重い。
しかし、彼女は無垢であったために、その空虚感は美しいものへと移り変わった。

ku-kiningyo.jpg私がどうしてもこの作品に惹かれて、涙ではなく、心が流す体液をそのままに、何度も絞り出してしまうのは、空気人形が人々の代わりに抱えてくれた寂しさの行方が、日常的で、美しいから。
どんな自分でもそのままに、寂しいまま空虚なまま生きていればよい、ということ。
道端のタンポポであっても風にのり、どこかへ繋がっていけること。
そしてそれは、ほんの少しの誰かの吐息であっても風の代わりに飛んでいき、どこかで誰かとつながって、わからない間柄であってもわからないうちに影響しあって、生き合っているのだということ。
みんなひとりぼっち。

そんな究極の「当たり前のこと」が表れているから大好きなんだと思う。

10.17.21:08

さまよう刃~映画~

samayou.jpgネタはバレバレします。

なんと腹の立つ映画だ・・・・・
見かけだけ一流料亭「わ○○べ」のような映画。
席につくまでに、料理が運ばれてくるたびに、格好だけを取り繕う感になんともイヤな気分になる。
こういうのに騙される輩が多いんだろうなぁ・・・と、脱力するような。

スローモーション、俳優のアップの多用、気持ちを高揚させる音楽、それらの演出が意図するものがわかりづらい。
物語よりも演出に目がいってしまう、観ていて突っ込んでしまう、それじゃダメでしょう。

おい!竹野内!なんであんた一人で犯人追ってんの?
あれだけの数いた捜査員はどこにいってんだっ!
だいたい、あんたら徒歩であのペンションまで行ったのかっ!
車はどこだーっ!
ほんで、踏切くぐれよ!
何あんたら線路はさんで見つめあってんだっっっ。
寺尾はそんなしてる間に犯人追えって!

おい!父親っ!あんた娘をあんだけのことされて殺した犯人目の前にして、桃太郎侍じゃあるまいに、ベラベラしゃべってんじゃないわよ。
それも視線はギャラリーやん、犯人逃げろよ、普通!
聞いてんじゃねーよ、父親の口上なんかっっっっっ!
ほんで空砲だっただぁ????
馬鹿かっ!
あんなんで死ぬ恐怖なんか与えられっかっ!
てめーがベラベラしゃべってたお陰で余裕ができたわ。くだらん!

娘の死体と対面するまでは、同じ娘を持つ身としてはつらかったです。
が、しかし・・・・・・・・
もうひとりの父親、あんた娘のレイプビデオなんかしっかり観てんじゃねーってば!

3つのテーマ。
娘を殺された父親の気持ち、娘の父親への気持ち、正義とは?法の番人とは?と問う刑事。
きっとより深い心情や抒情などもあったはずなのに、それらが少しも表わされてない。
だめだ、これは。。。。。。。